ロイヤル顧客の育成こそ
DS化粧品・25年下期の商品政策


〝ハイブランド強化〟のトレンド
価値観多様化への対応は




 2025年も後半戦に入った。ダイレクトセリング化粧品分野では、消費者のライフスタイルや購買行動、価値観の多様化に伴ってビジネスモデルの改革が盛んだ。店舗販売やECに連動した手法が台頭しており、特に老舗企業で顕著だ。主力事業で販売員の高齢化が進み、将来的な先細りが懸念される中、「次の一手」を模索する取り組みが本格化している。基本的な戦略としては、従来の高機能・高付加価値路線をさらに強化し、コアユーザー向けのブランド価値を訴求して愛用者と販売員、ブランドの密着度を高め、基盤を強化するケースが多い。そこに、海外市場や若年層、EC等の新たな要素を加えて差別化を図るというのが昨今のトレンドのようだ。

正念場迎える
ポーラの施策

 ダイレクトセリング化粧品最大手のポーラにとって、2025年下期は1つの正念場だ。1月に就任した小林琢磨社長は、これまでデータの積極活用とロイヤルカスタマーの確保・育成を重視した施策を打ち出してきた。ポーラではコロナ禍の中、新規顧客の獲得を重視した施策を展開し、特にオンライン・オフラインの両軸による営業施策を強化。しかしながら、最終的な販売につながるリアル店舗への導線整備が思うように進まず、特にシニア世代の委託販売員(ビューティーディレクター)の意識のズレ等によって、獲得した顧客の定着化が難航した。こうした状況に対し、オルビスで実績を示した小林社長は、ポーラの強みを改めて分析、その結果、投資の優先順位として新規顧客の優先度を下げ、既存顧客のLTVや稼働の向上に注力して費用を配分する方向に舵を切った。第2四半期までの実績を踏まえると、強みを活かせる環境の整備が進み、既存顧客数の安定化という結果につながった模様。 ▼続きを見る

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