東京都「通報サイト」・19年度受付状況

5割増の654件、背景に定期購入トラブル

 「悪質事業者通報サイト」(以下通報サイト)を運用する東京都が6月30日までにまとめた2019年度(19年4月〜20年3月)の受付状況によると、 悪質商法関連の通報数が前年度に続き5割増となった。定期購入トラブル関連の通報が倍増したことなどが理由。通報サイトは7年前に設置。 行政処分や指導、注意喚起の端緒情報入手ルートとして、「PIO―NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)」や 特定商取引法の「申し出」制度と並ぶスキームになっている。
 通報サイトで?年度に受け付けた件数は、悪質商法関連で654件(グラフ参照)。前年度に引き続き、過去最多の受付数を更新した。 増加率は51.4%増で、前年度(51.0%増)を0.4ポイント上回った。
 通報者(当事者以外の通報含む)の年代は、40歳代の158件がもっとも多く、前年度比は64.6%増。 20〜30歳代は各152件で、20歳代が50.5%増、30歳代が63.4%増だった。これに19歳以下(16件)を含めた40歳代以下で、全通報の73.0%を占めた。 50歳代も61.9%増の102件と増やした。
 一方、60歳代以上は49件で18.3%減。通報者の半数近くを同居・別居の家族等、本人以外で占めた。全年代における本人以外からの通報数は138件で 43.8%増。家族のほか、ケアマネージャーなどの福祉サービス関係者、近隣の知人、友人などからの通報が見られた。
 通報を受け付けた販売形態のうち、もっとも多かったのは前年度に続いて「通信販売」となり、106.7%増となった。 主な通報にはサイトで購入し代金を振り込んだのに商品が届かない∞「初回無料」で試しに申し込んだら、数カ月間の継続購入が前提の定期購入で、 高額な料金を請求された∞事業者と電話が繋がらず定期購入の解約ができない≠ニいった定期購入・お試し購入の関連トラブルが多く見られた。
 次に多かったのが「訪問販売」の132件。前年度比は6.5%増で、増加率を前年度(77.1%増)より大幅に縮小させた。 主な通報は「屋根瓦が浮いているのが見えた」と訪問してきた事業者に、修理が必要な状態だと言われ、 その場で契約を求められた∞オーディション合格後、高額なレッスン契約を求められた≠ネど。
 3番目に多かった「電話勧誘販売」は91件で65.5%増。微減だった前年度(1.8%減)から一転、急増させた。 通報は職場や自宅に何度も電話で不動産投資を勧誘され迷惑だった≠ネどのトラブルが寄せられた。
(続きは2020年7月16日号参照)