消費者庁の21年度予算概要 相談員のテレワーク環境整備、44億円増要求

自宅にPIO端末、越境トラブル対応強化も
   消費者庁は9月29日までに、国民生活センターの運営費や地方自治体の支援費を大幅に増額した2021年度予算の概算要求をまとめた。 主な使途は、新型コロナウイルス問題にともなう消費生活相談員のテレワーク環境の整備、越境トラブル対応強化など。 法執行関連は悪質商法対策のためのフォレンジック調査費、啓発関連は消費者向けアプリの開発費などを計上した。 概算要求の総額は20年度予算比で44億8700万円増の168億5500万円(復興特別会計で要求の2億9800万円を含む)。
国セン運営費15億増 地方交付金11億増
 国セン運営費は、「国民生活センター運営費交付金」としての要求。前年度より14億9600万円多い46億1700万円を求めた。 増額分を含む予算のうち、12億9000万円は消費生活相談体制のデジタル化≠使途とする。
 具体的には、感染症問題や他の自然災害等で消費生活センターの相談員等が出勤できない事態などを想定。 相談対応業務に不可欠なPIO―NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)を職場の外から利用できるように、 システムに接続する端末を相談員の自宅等に配備可能とする。
 さらに、SNS等を活用したオンライン相談、テレビ会議システムの構築などを地方公共団体に対して支援。PIO―NET等に係るインフラの強靭化、 デジタル改革に関する取組も推進する。
 これら消費生活相談体制のデジタル化≠フ予算には、前年度より11億5000万円多い32億5000万円を要求した「地方消費者行政強化交付金」からも 一部を充てる。
 国センの交付金を原資とする新規事業は、海外事業者との取引でトラブルに見舞われた消費者の相談対応に3億円を充当。 国センが運営するCCJ(越境消費者センター)における紛争解決のための体制・機能強化に使う。コロナにともなう新しい生活様式≠ デジタル社会に対応した相談業務を実現するためとして、デジタルトランスフォーメーション関連の取り組みの調査等にも2億7000万円を計上した。
(続きは2020年10月8日号参照)