ポーラ 新リンクルショットを来年発売

累計売上328億円の人気商品「傷の治り」とシワ改善に関係性
 ポーラ(本社・東京都品川区、及川美紀社長)は、日本で初めての「シワ改善薬用化粧品」としてヒットを記録した人気アイテム 「リンクルショット メディカルセラム」を来年1月1日にリニューアル発売する。現行品に比べ、シワの改善率が1カ月で2倍以上アップしたという 有効性比較のデータもあり、機能性の強化によって訴求力を高めた。
 シワのケアは、スキンケアの中でも女性に人気が高いカテゴリー。ポーラが2017年に発売した「リンクルショット」は、オリジナルの医薬部外品有効成分 「ニールワン」を配合し、これまでに約110万人が愛用、258万個が販売され、累計売上328億円規模を達成した。 「リンクルショット」は、単品使いが可能な化粧品であることから、同アイテムを入り口に、最高峰ブランド「B.A」など、 他のラインナップを購入するケースも少なくなく、フックアイテムとしても有効活用されてきた。
▲初代に比べて2倍以上の
   シワ改善効果が示されたという
 新「リンクルショット」では、シワの原因の1つである「好中球エラスターゼ」を抑制する「ニールワン」を配合しつつ、 新たに「3Dダイナミズム理論」を導入し、機能性を高めた。同社は、シワ改善の研究を進め、のべ約1600人の臨床試験を実施した中で、 シワが極端に改善しやすい人がいることを見出し、そのメカニズムを解明した。その結果、シワの改善力と傷を治す力には関係性があることが分かった。
 傷が治る一般的なメカニズムは、止血期(血が止まる)、炎症反応期(好中球などが細菌や傷ついた組織を掃除)、 増殖期(コンドロイチン硫酸が細胞の働きをサポートし、新しい血管ができたり線維芽細胞が真皮成分を生み出す)、 安定期(傷の欠損した部分に組織が形成)というもの。同社では、この中のコンドロイチン硫酸の働きに着目し、研究を行った結果、 シワ溝の部分にはコンドロイチン硫酸が減少していることを発見し、同成分をシワ部分に増やすことで、シワ改善効果が向上することを明らかにした。
 新「リンクルショット」の3Dダイナミズム理論は、シワ部分にコンドロイチン硫酸を増やし、言わば集中治療室のような空間を形成することで、 ニールワンの働きを高めて肌を立体的に再生するというもの。具体的には、@オリジナル複合成分「ICユニット1」が線維芽細胞に作用して コンドロイチン硫酸の産生を促進・増加させ、シワの周りに集中治療室を形成、Aニールワンが働きを高めて好中球エラスターゼの働きをさらに抑制し、 線維芽細胞がコンドロイチン硫酸に呼び寄せられる、B新規成分「エイドリキッド」により線維芽細胞が更に活性化し、コラーゲンやヒアルロン酸を産生し、 シワの改善を促すという流れ。同社によると、ICユニット1によってコンドロイチン硫酸の産生が2倍以上増加するほか、 ニールワンとコンドロイチン硫酸に組み合わせによって、好中球エラスターゼのロックが従来品に比べて48%抑えることができるという。 このほか、好中球を呼び寄せない働きのある成分「NEREリキッド」など、ニールワンと相性の良い成分を用いた新処方を採用した。 また、サイズが小さく粘性が低いキャリアオイルによって、複雑に入り組んでいるシワの隅々まで成分を浸透させる処方も使われている。
 20グラムで税別1万3500円。ボトルデザインは、リンクルショットイメージカラーであるオレンジを全面に採用。宇宙飛行士の宇宙服をイメージしており、 「チームで目標を達成する」という意味合いが込められているという。10月9日にメディア向けに開催されたオンライン発表会では、ポーラ化成工業研究所、 袋井工場ともオンラインでつないで、開発ストーリーなど現場の生の声を紹介した。