「アリックス」に9カ月の停止命令 消費者庁が特商法で

メッセージアプリで「いい話ある」 ファミレス・カフェで 断っても長時間勧誘
 会員がメッセージアプリで「いい話がある」などと消費者を誘い、契約を断っても長時間の勧誘を続けていたとして、消費者庁は11月20日、 連鎖販売取引の「ARIIXJapan(アリックス・ジャパン)」(所在地・東京都港区)に特定商取引法違反(氏名等不明示、書面不交付、迷惑勧誘)で 9カ月の取引等停止命令と、再発防止策の構築等を求める指示を行った。同社業務執行社員の「宮城邦夫」ゼネラルマネージャーには業務禁止を命じた。
12年度以降の相談累計で2167件
 処分を行った消費者庁取引対策課は、同社への立入検査を行った時期について「コメントできない」としたが、関係筋によれば今年1〜2月頃と見られる。 また、過去に同庁や地方自治体から特商法に基づく行政指導を受けていたという。同庁は指導の有無を「コメントできない」とした。
 12年度以降に「PIO―NET」で集計されていた関連相談件数は計2167件(グラフ参照)。年度毎は12年度22件、13年度90件、 14年度406件、15年度253件、16年度474件、17年度212件、18年度278件、19年度320件、20年度112件(10月31日時点)。
 件数が多かった都道府県と件数は、大阪府474件、兵庫県247件、東京都167件、福岡県132件、神奈川県121件、京都府118件、 岡山県65件、広島県63件など。
相談者の8割が20代登録禁じる学生13%
 相談者の平均契約額は約16万円で、最高契約額は300万円(全相談のうち契約金額が判明した61.8%の相談からの分析)。 金額帯では全相談の43.7%を占めた「10〜50万円未満」がもっとも多かった。
 相談者の平均年齢は26.1歳。年代は「20歳代」が79.0%を占め、これに「30歳代」の7.2%、「40歳代」の2.6%、 「50歳代」の2.0%が続いた。同社が連鎖販売事業の規約で登録を認めていない「10歳代」も1.1%を占めた。
 相談者の職業は「給与生活者」が67.4%を占め、大学生等の「学生」も13.4%を占めた。同社は規約で学生の登録を認めておらず、 15年4月より登録可能年齢を23歳以上に引き上げていた
(続きは2020年12月3日号参照)