貸金協会 「若年顧客」への貸付実態を調査

マルチ・詐欺商法の関わり、事前確認は3割弱 成年年齢引下げ後、18〜19歳に確認方針は24%
 日本貸金業協会(本部・東京都港区)が10月30日までにまとめた、若年顧客に対する業界の貸付方針・取り組みの実態調査結果によると、 22歳以下への貸付を可能としている事業者のうち、借り入れの目的が「マルチ商法」や詐欺商法に関係していないか事前に確認している 割合は、20〜22歳が相手の場合で3割近くにのぼることが分かった。相手が学生の場合は3割超に達した。また、 22年4月の成年年齢引き下げ後、事前確認を行うとした割合が各年代で高まる傾向がみられた。
18〜19歳、2割の業者が貸付対象に
 調査は6月14日〜同30日、協会会員を対象に実施。366者から回答を得た(調査票回収率78.3%)。
 これによると、若年顧客を貸付の対象としていたのは、顧客が?歳未満の場合で1.1%(4社)、18〜19歳で22.7%(83社)、 20〜22歳で80.1%(293社)。2割が対象としていた18〜19歳への貸付は、クレジットカードのキャッシング機能の利用を含むほか、 社会人として生活するケースなどを想定するという。反対に、若年顧客を貸付対象から外しているケースには、 住宅ローンや特定の業務・団体に限定した貸付事業者などがあるという。
 若年顧客が学生の場合、貸付対象としている割合は減り、18歳未満の場合で0.3%(1社)、18〜19歳で12.0%(44社)、 20〜22歳で26.0%(95社)にとどまった。
 2年後の成年年齢引き下げ以降の対応については、18〜19歳の場合で30.1%(110社)、20〜22歳で7.7%(28社)が、 貸付対象とするか「未定」とした。
マルチ等の関与、25%が18〜19歳の顧客に確認
 若年顧客を貸付の対象としている事業者には、借り入れに関するアドバイス等の実施状況を調査。ここで、 「マルチ商法」や詐欺商法にかかわっていないか確認しているかを聞いた結果、顧客が18〜19歳の場合で20.5%、 20〜22歳で29.0%の事業者が確認を行っていた。若年顧客が学生の場合は、18〜19歳で25.0%、 20〜22歳で32.6%の事業者が確認していた。
 成年年齢引き下げ以降の対応は、新たに成年となる18〜19歳の場合で24.4%が確認を「行う」と回答。「未定」は36.1%、 「行わない」は39.5%だった。20〜22歳では、「行う」が30.3%、「未定」が34.6%、「行わない」が35.1%。
 18〜19歳の成年顧客が学生の場合は、28.6%が確認を「行う」とし、45.2%が「未定」とした。
(続きは2020年12月17日号参照)