トップインタビュー M3 西山 啓道

健康食品MLMのM3(本社・東京都港区、西山啓道社長)は21年3月期見通しについて、3年前にスタートした新MLMを含む売上高で前期比1割増の23億円を見込む。 グループ会社のグロウリンク(東京都港区、本間隆一社長)が主宰するフィトンチッド噴霧機のMLMが、新型コロナウイルス問題を契機に伸長。 コロナ禍の影響が比較的抑えられた地方でのセミナーが活発なことなどが背景にあるという。次年度は2社で計30億円の売上を計画。噴霧機の機能、 デザインのリニューアルも予定する。西山社長に話を聞いた。
(インタビューはZOOMで2月2日実施)
初の美容液、キャンペで販売倍増
▲M3 西山 啓道 社長
  ―――今期(21年3月期)の売上見通しを伺いたい。
 「M3は横ばいだが、グロウリンクがかなり伸びている。両社を合わせて、前期比で10%程度の増収を見込んでいる」
  ―――M3の見通しの理由は。
 「昨年、コロナの問題が大きくなり始めたタイミングで、『(主力健康食品の)M3』を2本購入すると1本プレゼントするキャンペーンを行った。 これを実施していた昨年3〜5月は売上が伸びたが、6月以降は徐々に落ち着いていった。コロナ禍にともなう諸々の経済的な影響はやはりあるが、 売上が大きく下がっているということはなく、安定している。今後は微増を目指している」
  ―――19年の秋、ヒト幹細胞美容液の「ミラセル」を投入した。美容液の取り扱いは初めてだが、その後の売れ行きは。
 「1月から始めたキャンペーンが好評。昨年、『M3』で行ったのと同じく、2箱購入すると1箱プレゼントしている(実施期間は2月末まで、 使用量の目安は朝・晩の使用で1箱あたりが半月分)。普段の販売数は月に400箱くらいだが、1月は800箱くらい出た。 『ミラセル』を中心にビジネスをやりたいという会員も出てきた。キャンペーンを継続するなりして、健康食品と美容液の2本柱に育てられたらいい」
  ―――グロウリンクの売上が伸びている要因は。
 「コロナ禍になってから、『(主力製品であるフィトンチッド噴霧機の)イオンフレッシュ』の売れ行きが好調となっている。 月の出荷は、コロナの前は50台前後だったが、今は230〜240台。グロウリンクでは(噴霧機の)再販を認めているので、新規登録時の購入以外に、 月40台くらいが小売りのため追加で買われている。出荷台数の増加にともない、(噴霧機用の)フィトンチッド溶液のボトル販売、リピートも増えた」
  ―――月の新規登録数は。
 「M3、グロウリンクとも各200人くらい」
  ―――登録が好調なグループやエリアの傾向は。
 「主力メンバーが活動している場所の多くが緊急事態宣言の出た地域と重なった。一方で、宣言の対象ではない長野や群馬、新潟、富山、福島といった地域で、 グループが急速に伸びている。それらの伸びている地域では会場を使ったセミナーが活発。毎回、60〜70人くらいの参加がある。 ZOOMを使ってオンラインのセミナーもやっているが、グロウリンクが好調な理由の一つには、リアルで(セミナーを)やれていることがあると思う」
  ―――会員によるオンラインセミナーの実施は。
 「20〜30代の会員の間では当たり前のようにやられている。年齢が高くなると、やっていないという会員のほうが多い。新規登録にどれだけ繋がっているかは一概に言えないが、 遠征せずに遠方の人とも話せるので、地方の新規をリクルートしやすくなったと聞く。 それで、東京中心に活動していた会員のグループが九州で伸びだしたというケースがあったりする」
  ―――コロナ問題を受けた現場支援は。
 「会場利用料の一部補助などを考えている」
  ―――会社のオンラインセミナーは、どのような配信を行っているか。
 「製品、ビジネス関連以外だと、顧問弁護士に頼んでコンプライアンスセミナーをやっている。製品とは無関係に、免疫をテーマとしたドクターセミナーなどもやっている」
(続きは2021年2月25日号参照)