東京都まとめ 若者の「マルチ商法」被害調査

被害経験、最多は「男性/26〜29歳」の7.8%勧誘方法 「知らない電話」「覚えない郵便」が増加
   東京都が2月15日までにまとめた「若者の消費者被害に関する調査」報告書から、「マルチ商法」に対する若者の認知度が4年前の調査に比べて低下する一方、 被害に見舞われた割合は上昇している状況が浮かび上がった。アプローチの方法は、友人・知人の誘いが減らしたのに対して、知らない人物からの電話、郵便が増やしている。 調査は20年11月20日〜12月3日、都内在住の18歳〜29歳の男女2400人にインターネットで行った。職業内訳はフルタイム労働者46%、学生32%、 パート・アルバイト・非常勤・嘱託・派遣等12%、無職5%、専業主婦・主夫3%、高校生3%。
手口「知ってる」4年前から8P減
 調査では、若者が狙われやすいとされる「マルチ商法」「架空請求・不当請求」「インターネット通販」「アポイントメントセールス」の4取引について調査。
 このうち「マルチ商法」の認知度は、「内容(手口)を知っている」とした回答が49.8%となり、16年10月の前回調査(母数2400人)に比べて、8.2ポイント低下した。 8年前の前々回調査との比較は13.5ポイントの低下。「知らない」は23.6%で、反対に5.5ポイント上昇した。前々回調査からは12.6ポイントの上昇。 性別・年齢別で「―知っている」とした割合がもっとも高かったのは、「男性/18〜21歳」の55.5%。職業別では「学生」の54.5%がもっとも高かった。
 認知経路で構成比が大きかった上位3経路(複数回答)は@「学校で習った」の40.4%A「テレビで見た」の39.5%B「ウェブサイトで見た」の25.1%。 前回調査との比較は、@が4.1ポイントの低下、Aが5.0ポイントの低下と下げた一方、Bは5.0ポイント上昇させた。
 被害経験の調査では、「被害にあった(契約した・お金を払った)ことがある」が4.0%となり、前回調査から2.3ポイント拡大(グラフ1参照)。 「被害には至らなかったが、請求された(勧誘された)ことがある」は16.2%で、こちらは4.0ポイント拡大した。前々回調査との比較でも拡大傾向がみられた。
 性別・年齢別で「被害にあった―」とした回答がもっとも多かったのは、「男性/26〜29歳」の7.8%。 次に多かった「男性/18〜21歳」の5.1%に2.7ポイントの差をつけた。属性では「専業主婦(主夫)」の9.5%が最も高く、 これに「フルタイム労働者」の5.2%が続いた。
「友人・知人」11P減「SNS・サイト」微増
 被害にあったり勧誘されたりした若者に聞いた、アプローチの方法(複数回答)は「(以前から知っている)友人・知人から誘われた」が36.5%で最多となったが、 前回調査からは11.9ポイント低下した(グラフ2参照)。次点の「覚えのない差出人からメールが届いた」は23.0%で、 前回調査から0.1ポイント低下とほとんど変わらなかった。
(続きは2021年2月25日号参照)