ニュースキンジャパン 小林和則社長に聞く「戦略と見通し」

「ORS頼み」脱却、成長加速の武器に 早期昇格支援プロモ、12月まで延長

前回(6月10日号1 面)に続き、ニュース キンジャパン(本社・ 東京都港区)の小林和 則社長に、コロナ禍に おける取り組みや今期 の計画を聞いた。(イ ンタビューはZOOM で5月31日実施)
▲ニュースキンジャパン
小林 和則 社長

セミナー減らし 「完成度高める」

  ―――会社主催のセミ ナー、イベントの開催 状況について伺いた い。コロナ禍を受けて オンライン方式に転換 したが、実施状況は。
 「オンサイトでやっ ていた『ネクストセミ ナー(※1)』は、2 カ月に一度のZOOM 配信に切り替えた。昨 年の秋からは、配信時 間を約90分に拡大し、 フィールドから要望の 多かったリーダースピ ーチをプログラムに加 えた。  毎年、海外で行って いた『サクセスアカデ ミー』のトレーニング や、『(全国大会の)ニ ュースキンライブ』も オンラインで行った。 今年のライブは、4月 末に横浜アリーナで行 う予定だったが、今年 もオンラインで行うこ ととした(実施は6月 12日)」
  ―――コロナ前に比べ て、セミナー等の数の 増減は。
 「実は(15年10月に) 社長に就任してから、 会社でやる色々なセミ ナー、イベントの数を かなり減らしてきた。 うまくいかない時は、 売上を上げるため何か しなければいけない と、どんどんやる方向 にいきがち。が、目新 しさも手伝って最初は よいが、ずっとやって いくと、フィールドが 自分で考える力を弱く し、会社が何かやるの を待つようになってし まう。
 このビジネスは本 来、フィールドが主体。 現場がビジネスを回し て会社がサポートする という立ち位置に戻 し、数よりも完成度を 高める方向を目指して きた。だからこそ、今、 会社のほうでセミナー をたくさんやらずとも 成長を果たせている」
 
セミナー減らし 「完成度高める」

―――製品の売れ行き に変化は。
 「従来の売上は、お おまかにいうと半分が サプリメント、もう半 分をスキンケアとパー ソナルケアが占めてい た。コロナ禍となった 昨年の4〜5月くらい からは、健康や免疫へ の関心が高まり、サプ リメントの比率があが ってきた」
  ―――新規登録時によ く買われる製品は。
 「『ライフパック』。 ベースサプリメントと しての強みがある」
  ―――スキンケアデバ イスの売れ行きはどう か。
 「『ルミスパ』は毎 月、数千台が安定して 出ている。昨年の夏〜 秋は家でケアしたいと いうニーズが高まり、 特に売れ行きがよかっ た」
  ―――3月2日に新型 美顔器の「ブースト」 を発売した。発売前に 計3回実施した、先行 販売での売れ行きは。
 「昨年8月の1回目 と10月の2回目は、用 意したセット数を申し 込みの件数が大幅に上 回った。すぐに完売し たため急遽、追加で輸 入した。今年1月の3 回目は、ほぼ予想通り の数字だった。
 各回に申し込みをで きたタイトル(※2) は、昨年のサクセス ロードマップ≠フクオ リフィケーションのタ イミングに連動させ た。インセンティブを 得るための条件と(先 行販売の)リーダープ レビューに参加できる 条件がリンクするた め、ビジネスのリズム に迷いがなくなり、シ ナジーを生じた」
 
日本のみ 2セットまで

―――購入可能な台数 は、1IDにつき2セ ットまでに制限した。
 「(ニュースキンの) 他のマーケットでは5 セットとか10セットま で売っており、2セッ トに制限しているのは 日本だけ。これは数年 前、『ブースト』のよ うなORS(オポチュ ニティ・リニューアル ・ストラテジー)製品 のポジショニングを変 えたことが大きい」
  ―――変えた理由は。
 「それまでは、OR Sという画期的な製品 を使って、逆転満塁ホ ームランを打つような 感じで流れを変えよう としていた。しかし、 うまく行けば成長する が、行かなければ転ぶ。 リーダープレビューで ほとんど行き渡り、正 式発売が盛り上がらな いパターンもあった。
 そんなORS頼みの 政策を変え、フィール ドとのアライメントを 強めることで、常に成 長できる体制の構築を 目指してきた。ORS 製品が出れば、その成 長をさらに加速でき る。実際、 『ブースト』 を正式発売した第1四 半期(1〜3月)は対 前年比で11%の増収と なった」
―――正式発売後の売 れ行きは。


(続きは2021年6月10日号参照)