DS業界でも進む「プラスチック再資源化」

バイオ事業出資、回収リサイクル、再生プラ利用
 国内マーケットで使 用済みプラスチックの 再資源化への取り組み が広がる中、ダイレク トセリング事業者の間 でも、製品の容器等に 使われるプラ素材の回 収、リサイクルの活動 が進んでいる。近年浸 透がみられるSDGs (持続可能な開発目 標)の考え方に則り、 海洋プラスチックごみ の削減や地球温暖化の 抑制などにつなげるた め、プラスチックの過 剰な使用をやめるとと もに、リサイクル・リ ユースを推進する流れ が強まっている。
 ダスキン(大阪府吹 田市)は7月6日、使 用済みプラスチックの 再資源化開発を進める アールプラスジャパン (東京都港区)に資本 参加することを明らか にした。将来的に、使 用済みプラスチックを 原料とするリサイクル 素材の提供を得ること などが目的となる。
 ア社は昨年6月に立 ち上げられた共同出資 会社。米バイオ化学ベ ンチャーのアネロテッ ク社と共同で再資源化 技術の開発を進め、27 年の実用化を目指す。 目玉は、ペットボトル を含むプラスチックを 直接、ベンゼン等の原 料に戻す技術。既存の 油化工程を経由するリ サイクルに比べ、CO 2排出量やエネルギー 量の抑制が見込まれる という。
 ダスキンはこれまで にも 、ダストコントロ ール事業におけるバイ オマスレジ袋の導入、 ミスタードーナツ事業 における無料レジ袋の 廃止、バイオマススト ローの採用などに着手 してきた。今年6月に 策定した、30年を最終 年とする環境目標で は、容器・包装に使う プラスチックのリサイ クル率を60%に引き上 げることなどを掲げて いる。
 日本トリム(大阪市 北区)は、整水器に搭 載される浄水カートリ ッジの回収・リサイク ルを10年にスタート。 10年目となる昨年まで の回収本数は270万 本を超えた。正規品の 利用推進やカートリッ ジ販売の安定化にも寄 与している。  回収を希望するユー ザーは、同社提供の返 送キットを利用。使用 済みのカートリッジを 水漏れ防止袋に封入し た後、交換用カートリ ッジの入っていた箱に 入れて、返送専用の伝 票を使って郵送する。 返送費用は同社が負担 する。
 回収したカートリッ ジは外装等のプラスチ ック部分をABS樹脂 に再生。浄水フィルタ ーの活性炭は固形燃料 に、カートリッジの箱 は再生紙とされてい る。家庭ごみとして焼 却処理した場合に比 べ、CO2排出量を約 約?削減できるとい う。コロナ禍となった 昨年は、2月以降の回 収 率が前年比で数%〜 十数%増加。21年3月 期のカートリッジ売上 は、前期比5.8%増 の47億6500万円と 過去最高額を更新して いる。
(続きは2021年7月22日号参照)