ナチュラリープラス・MLM最前線

新会議体「カウンシル」に手応えリーダー700人超と協働

2年前の社長交代を契機として、MLM事業の組織戦略を転換したナチュラリープラス(東京都港区)。次代 のリーダーを見い出すことなども目的に、ビジネスへの意欲をもち、一定の実績をクリアした700人超の会員 と新たな会議体≠発足。定例のオンライン会合や明確な評価基準に基づくビジネス支援を通じて、営業政策 の浸透や業務の改善、モチベーションの醸成を図ってきた。21年8月期は、売上で前年並みの130億円前後 (本紙推定、小売ベース、国内のみ)を確保し、新規登録数は通期で約20%アップを達成。コロナ禍においても 奏功した戦略のポイントを見る。

クリアな評価で士気向上、「プロ意識」醸成もコロナ禍で奏功、独自のデジタルPF推進

 ナチュラリープラスは19年10月、取締役常務執行役員だった田嶋隆志氏が新社長に就任。営業部門で内外の市場開拓を主導し、 米国事業を軌道に乗せた手腕などが評価された。就任の半年前には、やはり田嶋氏の主導で、 ウェビナーなど各種配信を主要コンテンツとするデジタルプラットフォーム「NP FAN・STV(以下ファンズTV)」をスタート。 MLMビジネスのオンラインシフトに乗り出していた。
 そして就任と同時に、事業基盤の再構築を目的として、原点回帰≠キーワードとするフィールド改革に着手。 柱の一つとなったのが「IBO(インディペンデント・ビジネス・オーナーズ)」プロジェクトになる。 「IBO」に選ばれたビジネス会員が参加できる新たな会議体「COUNCIL(カウンシル)」を発足。通称「IBOC」として稼働を始めた。
 プロジェクトにあたって実施した「IBO」の募集キャンペーンは、 バイナリープランにおける左右の組織ツリーで各50万ポイント(単月あたり)以上の実績を条件に設定。「ファンズTV」や、 これと両輪をなすトレーニングプログラム「NP FANCLUB(以下ファンクラブ)」への加入も前提に募り、予想を超える785人が条件を達成した。
 「IBOC」を立ち上げるまでの20年近く、会社とフィールドの連携を図る会議体だった「サミット会議」は、 二百数十人の「サミットメンバー」と呼ばれる会員で構成。参加権は、ボーナス取得額が月100万円以上か年1000万円以上のリーダーに与えられ、 政策の伝達・調整、意見交換の場として機能してきた。
 これに対して「IBO」は、取得額が「月あたり10〜20万円台」(田嶋社長)の層が約500人を占める。 参加者のすそ野を広げ、会議体の規模を拡大する形で、ビジネスに意欲をもつリーダー候補を選抜した。
 また、従来の「サミット会議」は、「サミットメンバー」から選出されたトップ層による「サミット理事会」を上部にもつ多層構造だったが、 これを「IBOC」に一本化。サミット時代に東京へ集まって毎月行っていた会合は、「IBOC」ではオンラインによる2カ月に一度の開催に切り替えた。
(続きは2021年9月16日号参照)