トップ インタビュー リアル・デジタル時代の企業支援

「会社見学会」をリモート実施 システム移行・BCP策定など柔軟対応

コロナ禍の中、感染防止対策とデジタルツールを駆使した施策による新しい体制への移行が進む。ダイレクトセリング業界でも、セミナーやイベント、 サロンでのカウンセリングをオンラインで実施するなど、リアル・オンライン双方を活かした取り組みが増えている。 42年にわたって600社以上の企業支援を手がけてきた日本ネットワークシステムズ(本社・宮崎県宮崎市)では、 デジタル施策や予測困難な災害に対するBCP(事業継続計画)を踏まえたサービスの開発、サーバー機能の強化に注力している。髙山隆憲社長に聞いた。  
▲日本ネットワークシステムズ
代表取締役社長 髙山 隆憲 氏
アフターコロナ見据えた支援

―――コロナ禍は、過去最悪となった第5波をピークに、現在は小康状態にあります。 しかし、冬には再び感染拡大が懸念されており、ニューノーマルに対応した事業構築が急務です。 ダイレクトセリング業界では、リアル・オンライン双方を駆使した施策が次々と打ち出されていますが、一方で有効な手立てを打てない事業者もみられます。
 「当社では現在、ご好評の『会社見学会』をリモートで開催していますが、ニューノーマル対応のビジネスモデルを構築するサポートも行っています。 『会社見学会』ではWeb会議システムを使い、基幹システム『MACS(マックス)』(図参照)をはじめとするシステムや、 当社の信頼の体制と強固なセキュリティなどを主宰企業様ごとにご説明をさせて頂きます。また、システムの使いやすさをデモ版で実際にご体感いただけます」
 「当社は2001年のASPサービスを導入時より、主宰企業様がどこからでも安全・快適にデータにアクセスできるシステムを構築しています。 システム、およびデータは当社内のサーバ上にあるため、普段から主宰企業様は当社にアクセスしてリモートで作業して頂いていることになります」

  ―――ワクチン接種の浸透や治療薬の開発も進み、少しずつコロナ禍の出口も見えてきたように思われます。
 「コロナ禍が収束したアフターコロナの世の中では、ニューノーマルが求められます。 従って、今後も現在のソーシャル・ディスタンスの環境でリモート化したビジネス活動が不可欠です。 リモート時代の到来によって、主宰企業には、社員がテレワーク可能な環境を構築することが求められます。 また、イベントのWeb開催など、リモート化して会員の活動を支援することも必要です。 従来のようなフェイスツーフェイス主体の活動が困難となり、テレビ会議システムなどのデジタルツールを使って、 会員と円滑なコミュニケーションを図れる体制構築が急務です」
 「当社のシステムを用いれば、今回のようなコロナ禍や、将来的に大規模災害が発生し、会社に出社できない状態になった場合でも、 アクセス元を自宅や避難先等に変更して頂くだけで、社内に居る時と同様の作業が可能です。 実際に、コロナ禍の中でも当社のお客様は業務を停止する事なく継続する事ができました。BCP(事業継続計画)の策定は、主宰企業の義務と言えます」

 
サポート体制強化 迅速にシステム提供

▲日本ネットワークシステムズのシステム体制
―――リアル・デジタル双方を駆使したビジネスモデルを構築するには、安定してデジタルツールを活用できる環境が不可欠です。
 「当社は昨年の4月から1億円に近い設備投資をし、ネットワークも含めた統合インフラで、よりシンプルな管理と、 拡張性に優れた『Cisco HyperFlex System』を導入したので、ストレージがオールフラッシュ(SSD)となったこともあり、 処理スピードが約2倍速くなりました。セキュリティに関しては、ファイヤーウォールやSSL装置などのハードウエア、 ウィルス対策ソフトやアクセスログ解析ツールなどのソフトウエアを導入しており、ネットワークからのデータ流出対策を行っています。 さらに、サーバについては仮想化技術を導入し、ネットワーク機器においても代替機を用意し、 万が一のハードウエア障害に対しても早急に復旧できる体制を整えています」

  ―――増加する主宰企業のニーズに対応するための体制を強化していると。
 「現在当社では、他社システムをご利用中の主宰企業様からのシステム移行のご相談が増えてきております。 システム移行の場合は、移行データや現行システムの仕様の解析に多くの時間を要するため、担当者の負荷が大変大きくなってしまいます。 そのため、担当者の負荷軽減と、これまで以上に迅速に、かつ高品質のシステムを主宰企業様にご提供するために、 アプリケーション開発担当者をこれまでのメインとサブの2名体制から、プロジェクトリーダーとメンバー(3名)の4名体制としました。 さらに、手の空いている他のメンバーもヘルプとして入り、全員で開発を行う体制としました。コロナ禍により、 既往先からメンバー様向けオンラインシステム(e│MACS)の機能追加や改修のご依頼も増えてきております」

 
▲1社あたりの担当者を増員して
迅速・高品質なサポートを行う
多発する自然災害BCP策定は不可欠

―――近年、大規模自然災害が各地で発生しています。不測の事態に備えるためにも、リアルとデジタルを活用した事業体制の構築が求められています。
 「東日本大震災が発生して今年で10年が経過しましたが、依然余震活動は活発で、今後も大きな地震に注意が必要です。 先日の10月7日、千葉県北西部で発生した地震で埼玉県と東京都で最大震度5強を観測し、 首都圏のライフラインや鉄道運転見合わせもあり東日本大震災3・11同様に多くの帰宅困難者で大混乱となりました」
 「これから30年以内に70〜80%の高い確率で発生が予想される首都直下型地震や南海トラフ巨大地震に備え、 BCP(事業継続計画)としても当社が活用されるようになっています。お客様からお預かりしているデータについては、 当社内と遠隔地(IBMクラウド)にバックアップを取っています。私たちは常にお客様に満足いただける『安心・安全・信頼』のサービスを心がけて来ました。 これからも、ダイレクトセリング業界、MLM業界の健全な発展を通して社会に貢献して参ります」