社説 「横流し」、抜本対策は可能か
MLM各社に共通の問題である自社製品の「横流し」。総合通販サイトやオークションサイト、フリマアプリ等で会員価格より安い値段で販売されている。この問題に、大手のニュースキンジャパンが対策を強化(前号1面参照)。Amazonのマーケットプレイスで横行する転売品の排除を目的に、公式ストアを開設した。ストアで販売する製品が正規品であることの証明制度を活用し、非正規の安売り品と明確な区別を図る。
証明制度は、Amazonが運用するTransparencyプログラム。ランダムな英数字からなる製品固有のバーコードがパッケージに印刷される。バーコードをAmazonのショッピングアプリかプログラムのアプリでスキャンすると、正規品であることを証明する緑色のマークが表示される。販売ページではプログラムの対象製品であることを示すバッジが表示される。
このプログラムは米本社が数年前より活用。非正規品の削減に「大きな成果」を上げたことから、日本でも公式ストアの開設とプログラムの導入を決めたという。
正規品の値段は会員価格より高く設定され、今のところ、割引特典などは予定しない模様。マーケットプレイスの転売品のほとんどは、会員価格より1割以上安い値段で販売されている。このため、価格訴求は転売品が勝ることになる。製品名で検索して、正規品より安い転売品が表示されれば、値段にのみ注目するユーザーはそちらに流れる可能性が高い。
一方、より安さを求めるユーザーであっても、製品を見極める目は備えている。例えば、サプリメントなら賞味期限。あまりに短ければ敬遠される。セール品として更に安価に販売される場合もあるが、購入層は限られる。開封済みの形跡があっても交換に応じてもらえず、〝在庫〟が安定しないといったネックもある。まずは、このようなデメリットの周知が公式ストアの目的でもあるだろう。
他方で「横流し」はマーケットプレイス以外でも広くみられる。一例がオークションサイトやフリマアプリ。こちらの対策は課題として残る。
また、そもそもの出発点として、なぜ「横流し」が起きるのかという点から目を背けることはできない。端的に言えば、報酬やタイトルのための買い込みが報酬プラン上、可能となっていることだ。数十年の業界歴をもつ元ディストリビューターの一人は、報酬と「横流し」の売上で「二度おいしい」と表現した。
繰り返しとなるが、これらは業界に共通の問題。根本的に歯止めをかけようとするなら、プランの問題点を正面から見据え、各社が連携した取り組みが必要ではないか。
証明制度は、Amazonが運用するTransparencyプログラム。ランダムな英数字からなる製品固有のバーコードがパッケージに印刷される。バーコードをAmazonのショッピングアプリかプログラムのアプリでスキャンすると、正規品であることを証明する緑色のマークが表示される。販売ページではプログラムの対象製品であることを示すバッジが表示される。
このプログラムは米本社が数年前より活用。非正規品の削減に「大きな成果」を上げたことから、日本でも公式ストアの開設とプログラムの導入を決めたという。
正規品の値段は会員価格より高く設定され、今のところ、割引特典などは予定しない模様。マーケットプレイスの転売品のほとんどは、会員価格より1割以上安い値段で販売されている。このため、価格訴求は転売品が勝ることになる。製品名で検索して、正規品より安い転売品が表示されれば、値段にのみ注目するユーザーはそちらに流れる可能性が高い。
一方、より安さを求めるユーザーであっても、製品を見極める目は備えている。例えば、サプリメントなら賞味期限。あまりに短ければ敬遠される。セール品として更に安価に販売される場合もあるが、購入層は限られる。開封済みの形跡があっても交換に応じてもらえず、〝在庫〟が安定しないといったネックもある。まずは、このようなデメリットの周知が公式ストアの目的でもあるだろう。
他方で「横流し」はマーケットプレイス以外でも広くみられる。一例がオークションサイトやフリマアプリ。こちらの対策は課題として残る。
また、そもそもの出発点として、なぜ「横流し」が起きるのかという点から目を背けることはできない。端的に言えば、報酬やタイトルのための買い込みが報酬プラン上、可能となっていることだ。数十年の業界歴をもつ元ディストリビューターの一人は、報酬と「横流し」の売上で「二度おいしい」と表現した。
繰り返しとなるが、これらは業界に共通の問題。根本的に歯止めをかけようとするなら、プランの問題点を正面から見据え、各社が連携した取り組みが必要ではないか。