ダイレクトセリング化粧品 相次ぐ「ハイブランド」の強化

背景に競争激化への危機感 リアル接点の活用がカギ




 化粧品市場では、コスパ重視の低価格アイテムと、高機能・高付加価値で訴求するハイブランドの二極化がさらに進んでいる。ダイレクトセリング化粧品分野ではこれまで、長年ブランドを愛用しているロイヤルユーザーを中心に、ハイブランド志向の需要を捉えてきた。一方で、販売組織の高齢化に伴う営業力の低下や消費者のライフスタイル・価値観の変化、さらには昨今の物価高騰といったさまざまな要因によって、ハイブランドの商品政策はこれまで以上に緻密な戦略が必要になってきている。リアル回帰の動きが強まる中、サロンの機能強化と同時に、ECをどのように連動させるかが、ロイヤルユーザーの獲得・育成のカギを握っている。

市場の二極化 高機能で対応

   某老舗化粧品企業の幹部は、「団塊世代の販売員がまだ現役で頑張っているうちに、どこにマーケットを求めていくのか、今後の戦略を打ち出さなければならない」と、現在のダイレクトセリング化粧品市場の現状をこう分析した。化粧品市場全体では、コロナ禍前からセルフ市場のシェアが3割以上を占めていたが、セルフ化粧品の機能性が向上し、コスパ重視のユーザーだけでなく、成分や使い心地にもそれなりに関心のある消費者も昨今の物価高を背景にブランドシフトをする動きもみられる。長年にわたってクローズドマーケットで展開してきたダイレクトセリング化粧品は、長年の愛用者によって支えられてきたが、冒頭の幹部が語ったように、販売員の高齢化と相まって利用者の高齢化も進んでおり、新たなマーケットの開拓が急務だ。化粧品市場の二極化が進む中、ダイレクトセリング化粧品企業の多くがハイブランドの強化を刷新することで独自性を強化している。 ▼続きを見る

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