DS業界の現状・対応は カスハラの経験、「ある」が44%

「話を遮る」「大声」「脅す・中傷」など



 

カスハラの有無・中身

   アンケートでは、まず、直近1年間に顧客等からカスハラ(カスタマーハラスメント)を受けた経験があるかどうかを聞いた(グラフA―1参照)。カスハラの定義は、「顧客・取引先・施設利用者その他の利害関係者によって行われ、社会通念上許容される範囲を超えた言動で、労働者の就業環境を害するもの」とした。
 集計の結果は「ある」(17社)が44%、「ない」(20社)が51%。今回の調査では、カスハラを受けたことがないとした会社のほうが多かった。カスハラを受けたどうか「分からない」(2社)とした回答は全体の5%を占めた。
 次に、カスハラを受けた経験が「ある」と答えた17社を対象として、どのようなカスハラだったかを聞いた(グラフA―2参照、複数回答方式)。
 もっとも多かったカスハラは「話を遮る、話の揚げ足を取る」(8社)で、回答企業の47%が受けていた。これに次いで多かったのは「大きな声をあげる、睨む、物を叩く」「脅す、人格・服装等を中傷するような言動を行う」(各7社)。回答企業の41%が受けたことがあった。
 他のカスハラで3社以上の回答があったのは「居座る、長時間に渡って要求を行う、何度も要求を繰り返す」(4社)、「謝罪のための土下座を要求する、謝罪文を要求する、自宅に来訪して謝罪を行うことを要求する、上司による対応を要求する」(3社)。
 記述式で回答を得た「その他」(6社)の中身は、「電話が切れず、要求を通そうとする。消費者センターへ訴えると脅す」「電話で長時間に渡って要求を行ったり、何度も要求を繰り返す」「消費生活センターをちらつかせて要望をのませようとする」「お客様である立場を利用し、威圧的な態度を取ったり、小さなことで大変ご立腹になる」「執拗な長文メールを繰り返し送信」など。複数の企業が長時間の電話や、消センに持ち込むことをほのめかす行為を受けていた。

(続きは2025年8月7日号参照)