業界の慣習になった消費者センター訪問

紙の書面交付、会員からクレーム


 ダイレクトセリング市場に精通する業界人に、現場の過去・現在・未来を語ってもらうシリーズ「Voice of Field」。前回に続いて、MLM業界歴30年のQ氏(匿名)の寄稿をお送りする。  
 MLM業界に携った20年間、私は7社(うち5社は外資系)でコンプライアンス担当を経験しました。
 その業務の一環として、会社の問題点を把握するため、全国の消費者センターを訪問し、現状の把握等を行いました。消費者センター訪問を本格的に展開したのは、当時、破竹の勢いで拡大していたA社が最初だったと思います。2000年頃の話です。
 以降、各社が同じように訪問するようになりましたが、業界の一つの慣習となったことは良いことだと思います。
 消費者センターの担当者とは、面談を重ねるごとに会社の現状を把握してもらえました。しかしながら担当者が変わると最初から説明することとなります(勿論資料的な引き継ぎはされていますが)。よって、消費者センターへは定期的に訪問して現状を説明しておりました。
 そんな折、業界が正しい方向へ向かうために、またMLM業界の認知度を高めることを目的に、志を持った業界人の集まりに参加するようになりました。この会合は企業の垣根を越えて各MLM企業の識者が集い、現状の問題や改善策などを討論しており、同業他社の考え方や企業の人となりを知ることが出来たとても有意義な会合でした。


(続きは2025年8月21日号参照)