新MLM「ツーバード」開始から1年 エックスワン・市村智樹社長に聞く


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昨年9月、バイナリー型プランの新MLM「エックス・ツーバード(以下ツーバード)」を立ち上げたエックスワン (本社・東京都港区、市村智樹社長)。当初は、ブレイクアウェイ型の既存プランとのすみ分けを意識していたが、 早い段階で互いの相乗効果が見込めるコラボ路線に転換。1年を経過した現在、両プランを合わせた売上、 活動会員数ともに上昇がみられ、思惑に沿った成果が得られつつある。市村社長に話を聞いた。(インタビュー実施日は9月19日)
早めの軌道修正で既存プランとコラボ
――「ツーバード」開始から1年を経過した。設定した目標の達成状況は。
「かなり高い目標を掲げていた。そのレベルには到達していないが、じわじわ上がり続けている」
――当初、既存プランと新プランの「ツーバード」は別個に運営していく方針だったが、 現在は両プランの同時登録を推奨するなど連携を深めている。
「既存プランとは別物というスタートだった。けれど、それだと効率が悪いと気付き、早めに軌道修正を図った」
――修正の理由は。
「例えば、『ツーバード』は2製品しか扱っていないが、既存プランでは220製品をラインナップしている。 『ツーバード』で登録した方がそちらの製品も欲しいとなった場合、既存プランにも登録すれば会員価格でお買い求めいただける。 そういったケースが色々と出てきて、しっかりコラボする方向に転換した」
――転換後の政策は。
「今年の春から、『ツーバード』の新規は既存プランの入会料5000円を無料としている。 既存プランの会員だけを対象に行っていたタイ招待キャンペーンは、『ツーバード』の会員を対象に別枠でも実施した。 来年のハワイ招待キャンペーンも両方のプランの会員を対象に異なる条件で行う」 ――「ツーバード」開始後のMLM事業の売上は。
「既存プランと『ツーバード』を合わせたトータルの売上は、ずっと前年を上回っている。 予想した通り、既存プランから『ツーバード』にビジネスの比重を移す人が出たため、既存プランの売上は前年より落ちているが、 根強い愛用者が多いことや両方のプランに登録する人が増えているお陰で、想定したほどには減っていない。 先月(=8月)の既存プランの売上は前年を上回ったくらいだ。 一方で、新しく始めた『ツーバード』は着実に新規を増やしており、トータルで増収となっている」
――増収率は。
「先月の売上でいうと15%増(前年同月比)だった」
個数トップの製品強化し新プランでも
――アクティブな会員の総数はどうか。
「具体的な人数は控えたい。ただ、既存プランのみだった前年に比べ、トータルでは10%以上増えている。 既存プランだけを見れば減っているが、やめたのは元々あまり購入されていなかった方達のため、そこまで収益に影響していない」
――「ツーバード」の会員の継続状況は。
「やはり購入をやめてしまわれる方は出てくる。それで休止率を抑える狙いもあって、 支払い方法に銀行口座からの自動引き落としを加えた。また、休止する方が出た場合、 紹介者にそのことをメールで伝える仕組みを始めた。メールの届いた紹介者からフォローしてもらうことで、 購入の再開に結びついたケースがかなりある」
――継続率を高める狙いで、オートシップシステムの見直しを計画していた。
「『ツーバード』の2製品が毎月、交互に届くコースの設定をWEBから簡単にできるようにした。 そもそも購入を休む理由は何かというと、届いた製品を消費せず余らせてしまうから。 以前から、電話してもらえれば交互配送にできたが、手続き的に面倒という方もいらっしゃる」
――3品目の製品発売も計画していた。進捗は。
「11月1日に栄養ドリンクの『エックスソリューション バイタリティチャージ』を発売する(50㍉㍑×20本、 税抜き1万1000円)。以前より『ツーバード』の会員から『ドリンク製品が欲しい』という声が多かった」
――どのような製品か。
「既存プランにおいて個数ベースで一番売れている『VLゴールド』をバージョンアップさせた。 『VLゴールド』は多くのファンがついており、これを強化して『ツーバード』で11月に出す製品も新規獲得とリピートが見込める」
――発売に合わせたプロモーションは。
「10月に4都市で製品説明会を開き、試飲などを行う。製品の製造会社から担当の方を招き、 こだわりのポイントなども話してもらう」
お試しセットでWEB注文大幅増
――MLM事業の主力であるスキンケアの「エックスリュークス」シリーズについて。
販促の一環で8月にお試しセットを投入した。
「これも以前からフィールドに欲しいと言われていたアイテム。 コスト面の課題をクリアでき、(主要成分の)ヒト幹細胞培養液の認知が十分に高まったと判断し、発売を決めた。 現在は2760円の税抜き特別価格で販売している」
――利用状況は。
「MLMだけでなく『エックスリュークス』のブランドサイト、(親会社の)ストリームやその他の通販サイト、 女性誌の誌上通販などで販売している。MLMの会員の間で予想以上に売れており、 誌上通販の女性誌をまとめ買いしてスポンサリングツールに使われる方もいる。お試しセットで気に入って製品を買われる方は、 特にWEB経由で増えており、WEBの受注数は前年比で200%増。前年の数字がさほど高くなかったとはいえ、 確実に顧客を掴んでいると感じる」
――愛用会員制度の「ショッピングクラブ(SC)」の人数にも反映されているか。
「現在の人数は約5000。着実に伸びてきている。『SC』会員になれば約2割引でお買いいただける(MLMは約3割引)。 そういったメリットを打ち出し、さらに増やしていく」
――MLM事業との両輪に位置づける店舗向け卸事業の状況は。
「昨年4月より、井田両国堂さんの直営店で化粧品を取り扱ってもらっているが、 思いのほか好調ということで全店キャンペーンが決まった。井田両国堂さんの卸売り事業を通じて、 新たにプラザさんと東急ハンズさんの一部店舗でも化粧品の取り扱いが始まる。また9月下旬より、 ヨドバシカメラさんのマルチメディア梅田店で取り扱ってもらう予定で、販売を補助するスタッフも派遣する。 売上もそうだが、誰もが知る百貨店内等で製品が売られていることは、MLMの会員にとっても大きな意味がある。 もっと売り場を広げていきたい」
――今期(20年1月期)の売上見通しを伺いたい。
「MLM事業は、二ケタ増とはいかないかもしれないが増収の見込み。 利益も増やせるだろう。一方で、卸事業は(免税店大手の)ラオックスさんの店舗政策の影響などもあって落ちている。 下期の卸の状況によって、会社全体で増収を達成できるかどうか変わってくると思う」