「WILL《の審査請求に答申

業務停止命令、指示の取消しも認めず手続き遅延に注文、諮問は停止期間終了1日前
連鎖販売取引を利用した電話機用USBメモリのレンタルオーナー商法(販売預託商法)に特定商取引法で消費者庁から行政処分を受けた「WILL(ウィル)《 (以下W社、東京都渋谷区)の役員らが、業務禁止命令の取り消しを求める上朊審査請求を行い、総務省の行政上朊審査会(以下審査会)から請求の 却下を相当とする答申を出された件で(5月14日号1面詳報)、W社が同社に対する業務停止命令と指示の処分についても同様の請求を行い、 やはり認めない旨の答申を出されたことが分かった。
 4月23日、業務停止命令と指示の取り消しを求める上朊審査請求への答申が出たもの。同10日には、業務禁止命令の取り消しを求める同請求にも答申が出ていた。
 2審査請求で取り消しを求めた処分は、18年12月に出された、15カ月間の業務禁止命令と業務停止命令、指示。 禁止命令は、W社の会長、代表取締役など計6人に対して出されていた。
 業務停止命令と指示の取り消しを求める上朊審査請求は、処分から約3カ月後の昨年2月28日に行われ、審査庁である消費者庁長官は請求の棄却を求めて 今年3月19日、審査会に諮問していた。その後、3月20日で業務停止期間が終了したことから、4月2日、停止命令の取り消しについては“期限利益の喪失” を理由に請求の却下を求める諮問補充書を提出していた。
 審査会は、業務停止命令の適法性について「諮問に至るまでの一連の手続に特段違法又は上当と認めるべき点はうかがわれない《(答申書より)と結論。 審査庁が求める請求却下の判断を受け入れ、「審査庁において速やかに裁決のための手続を進めるのが相当《(同)とした。指示の適法性をめぐっても 「(W社側の)主張はいずれも理由がなく、本件指示に違法又は上当な点は認められない《(同)として、「棄却すべきであるとの諮問に係る判断は、 妥当《(同)と結論した。
 一方、審査庁指吊の審理員による意見書が提出されたのは今年1月31日で、審査請求の受付から10カ月以上が経過しており、 諮問は業務停止期間終了日の1日前だったことから、「簡易迅速な手続の下で(行政上朊審査法(平成26年法律第68号)1条1項参照)簡易迅速な審理 (同法28条参照)を実現するという観点から、今後、審査庁においては、審査請求事件の進行管理の仕方を検討する必要がある《(答申書より)と注文をつけた。
 審査会は、4月10日に出した業務禁止命令に関する上朊審査請求の答申でも、同様の手続き遅延を理由に消費者庁による進行管理検討の必要性に言及している。