消費者庁が特商法で業務停止3カ月、英会話教材の連鎖販売に

「話だけでも」「絶対儲かる」、書面不交付も

▲ドログバWEBサイトの
オンライン登録ページ(=写真)
では、概要書面の画像を示して
内容の理解を求めるとともに
概要書面を確認し理解しました
との同意項目をチェック
させていた
 確実に儲かるかのように告げ、英会話教材・レッスンの連鎖販売取引を勧誘していたとして、消費者庁は5月30日、「doroguba(ドログバ)」 (大阪市福島区福島)に特定商取引法違反(勧誘目的不明示、公衆の出入りしない場所での勧誘、断定的判断の提供、概要書面不交付)で3カ月の業務停止命令と 指示の処分を行った。代表取締役の@「新田裕亮」とA「三浦巧人」の2人に業務禁止も命じた。
 @はWEBサイトや書面で名前を“新田悠守気”と記載。同庁取引対策課によれば、「運気が良いと通称を使っていた」という。 Aは、ド社との間に雇用関係はなかったが、英会話レッスンの講師役や会員獲得テクニックの伝授役、経理業務を担っていたことから、 連鎖販売事業における中心的役割を果たしていたと判断した。
 12年の設立。同庁によれば、19年4月期で2億9600万円を売り上げていた。英会話教材のほか、カジノディーラーの養成教材・レッスンも取り扱っていた。 また、25年の関西・大阪万博(国際博覧会)にオフィシャルサポーターとして協賛していた。
 事例によれば、会員が「このビジネスは人脈も増えてお金も入る」「俺よりも上の人に聞いた方が理解できると思うから、話だけでも聞いてくれ」 「無料で英会話スクールの体験ができる」などと告げて、ド社事務所等を訪れるように勧誘。この際、特定負担を伴う連鎖販売の契約締結を勧誘する目的を 告げていなかった。
 勧誘していた商材は、「PARADOX」と呼ぶ英会話教材(約30万円、中身はCD等)と英会話レッスン(約2万円、2カ月分)で、 「教材費は本当は30万円だが、会員数が一定数いくまでは人を増やしたいので10万円にするキャンペーンをやっている」「俺たちは30万円払って入ったが、 今入った方が安いから絶対良い」などと説明。連鎖販売ビジネスについて説明する際、「絶対に儲かる」と告げていた。
 また、消費者が受け取っていた資料の中に「特商法で規定する概要書面に該当するものがなかった」(取引対策課)ことから、不交付を認定した。同庁によれば、 勧誘時、モニターに表示した概要書面を見せられたケースがあったという。ド社WEBサイトのオンライン登録ページでは、概要書面の画像を示して 内容の理解を求めるとともに、“概要書面を確認し理解しました”」との同意項目をチェックしないと登録手続きを進められない仕様としていた。