通常の事業活動、そろり再開へ シャクリーの新型コロナ対応

直営カウンター10カ所、入店・利用数に上限セミナー  6月27日から現場開催、7月は全国9会場

▲6月1日より通常営業を再開した
   全国10カ所の「カウンター」は、
   有効床面積を基準として、一度に入店・利用
   できる人数に上限を設定(表は店舗毎の制限状況)
 新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が5月25日までに解除されたことを受け、MLM各社が通常の事業活動への復帰を目指し、動き始めている。 3月より各種セミナーの現場開催を見送り、全国の拠点を一時閉鎖(電話受注・問合せ対応等の業務は継続)していた日本シャクリー(東京都新宿区)も、 当局の規制緩和に呼応して活動を再開。感染対策の徹底とビジネスの両立に臨んでいる。リモートワーク、カスタマー対応、セミナー開催における同社の 取り組みを紹介する。
社内「人口密度」50%以下を基準に

 日本シャクリーでは3月よりリモートワークと時差出勤を開始(オフィススタッフ数は昨年3月末時点で75人)。ソーシャル・ディスタンシングのため、 社内の人口密度≠50%以下に抑えることを自主基準にかかげた。
 4月7日に緊急事態宣言が出された後は、この基準をさらに厳格化。20〜30%の間を目標に出社数をコントロールしてきた。宣言の解除後は50%に戻し、 リモートワーク等を継続。東京都の外出自粛・休業要請ロードマップに沿った対策を続ける(要請は6月19日に終了予定)。
 リモートワークは比較的スムーズに実施できており、特に営業部門はコロナ問題の以前から、自宅とフィールドを行き来する直行直帰が定着していたことが 寄与した。
 対面が難しい中でのビジネスサポートは、ZOOMミーティングをうまく活用。ZOOMを利用した遠隔サポートは1年ほど前から浸透を図っていたといい、 日々のビジネス活動で生じる悩みへ適時適切に応えられるメリットに目を付けた。
 ZOOMミーティングでのコーチャーは、営業部門のマネジメントをはじめ、発案者である髙杉茂男社長自身も担当。「グループ毎に曜日を決め、少ない時で 5〜6人、多い時で十数人の方を相手に、新規アプローチのコツといった基礎的なトレーニングを行ってきた」(髙杉社長)。20〜40歳代の ディストリビューター(ビジネス会員)を中心に、コロナ下のサポートとして功を奏している。
受注センターの短縮営業、当面継続

 感染防止のためのシフトは、カスタマー対応業務においても続けていく。
 製品の注文や配送、返品等の電話問い合わせに応じる受注センターは、通常は9時〜21時で稼働。現在は終了を3時間早め、18時までの受付としている。 感染予防の観点からオペレーターの勤務・配置にも配慮しつつ、この短縮営業を当面維持する。
 時間帯によって発生する応答率の低下は、全国?カ所の直営カウンターで受注センターと同様の電話対応を行うことで解消につなげている (カウンターの営業時間は9時〜17時30分)。
 緊急事態宣言の発令に合わせてショッピングフロアとセミナールームを一時閉鎖していたカウンターは、宣言解除後の6月1日より全店舗で通常営業を再開。 しかし、全面的な再開ではなく、一度に入店・利用できる人数に制限を設けた。
 本社オフィス併設の東京カウンターの場合、ショッピングフロアは6人まで、販売カウンターは2人までに限定(計8人まで)。最大人数は、 店舗の有効床面積やテスティングコーナー等の什器の配置などを考慮し、「余裕をもって距離を取れる」(髙杉社長)ことを念頭に算出。 カウンターの中でも面積が小さい柏店の場合、ショッピングフロアは最大3人、販売カウンターは最大1人に限定している。
部屋貸出にも入室制限飛沫防ぐ透明シート

 カウンター併設のセミナールーム(柏店除く)も貸し出しを制限。やはり有効床面積を基準に、32平方bの札幌店の場合、 1度に入室できる上限は8人に設定している(他の店舗は4〜12人)。利用時間は最長90分、1日あたりの利用可能組数は午前1組・午後1組に限る。
 さらに、各店舗の販売カウンターには飛沫を防ぐ透明なシートを吊り下げ、化粧品等のテスターにも上からビニールをかける。 色見を確認してもらう用途などにとどめ、お試し≠ヘできなくしている。 会場に集客してのセミナーは、6月27日に名古屋で予定する「ビジネスフォーラム (以下BF)」からの再開を計画(6月10日時点)。「BF」はプロスペクト(見込み客)やメンバー(愛用会員)を対象とした事業説明会。 近年の副業・兼業志向の高まりにフォーカスし、同社ビジネスの特長、メリットを提案してきた。
 全国で毎月10回程度を開催する基幹セミナーだったが、3月中旬以降は休止。副業市場に関する最新の統計データとの比較がポイントとなる関係から、 オンラインでの開催も控えてきた。
製品セミナー等は7月まで見送り

 7月には「リーダーズカンファレンス(以下LC)」を計画。「スーパーバイザー」をはじめとするリーダークラスの会員を対象としたビジネスミーティング となり、全国9会場を予定する。
 ただし、カウンターの運営と同じく感染防止対策が求められることから、開催時間は従来の3時間から1時間へと短縮。人数制限も設ける代わり、 1会場で2回を開く時間差集客≠フ手法を取る。さらに、ZOOMを使ったオンライン版の「LC」も開くことで、来場者数の抑制を図りながら、 多くの人が参加できる体制とした。
 これに対して、会場で製品を試してもらうことがまだ難しい「製品特別セミナー」「ビューティトレーニングセミナー」、理解度テストが不可欠な コンプライアンス講習の「ビジネスプロセスガイダンス」は、7月まで開催を控える。静岡・富士宮の製造施設で行われていた「工場見学会」も、 今のところ予定していない。
 一方、ZOOM配信に切り替え、そのまま定着しつつあるセミナーもある。4月に全国9会場で予定したビジネスミーティングの「ニュープロズカンファレンス」 がそれで、4月実施の計4回の配信が好評だったことから5月も実施。6月も11日〜12日に計3回、配信した。「BF」もオンライン版を検討しており、 コロナ下で高まるリモート参加ニーズに応えていく考えだ。