日本シャクリー 髙杉茂男社長に聞く「現状と見通し」

悩み解決・昇格お祝い ZOOMミーティングが定着 ビジネスセミナーのオンライン開催も浸透

 新型コロナの緊急事態宣言解除を受け、通常の事業活動に移行しつつある日本シャクリー。移行の状況や注意点を髙杉茂男社長に聞いた。 (インタビューはZOOMで6月10日に実施)
  ―――緊急事態宣言が5月25日までに解除された。その後の業務の状況を伺いたい。
 「社内の人口密度を50%以下に落とすことを目安に、3月からリモートワークと時差出勤を実施している。4月の宣言後は、目安を20〜30%の間まで下げ、 解除された今は50%に戻した。東京都の休業要請ロードマップに従い、4段階のステップに沿った制約があるうちはリモートワーク等を続ける」
  ―――密度を下げるための出社管理は。
 「部門毎に部門長がマネージしている。人事でも社内全体の密度をチェックし、ある部門で目安を超えそうなら出社の少ない他の部門と調整して全体で50%以下を 保つようコントロールしている」
  ―――リモートワークをしやすい部門は。
 「営業は情報の周知やフィールドワークが中心となるので、自宅から現場に出て、オフィスに行くことなく自宅に戻るのが普通。コロナの前からリモート的な 仕事には慣れていた。ほかには、例えばイベント関連の部門も、オフシーズンの間であればメールなどでの対応もでき、出社しなくてもそれほど支障はない」
  ―――営業部門は会員との面談や打ち合わせが避けられない。どういった方法で対面せずに行っているか。
 「電話、メールに加えて、ZOOMが基本ツールとしての比重を高めている」
  ―――ZOOMの活用状況を伺いたい。
 「コロナとは無関係に、1年ちょっと前から、会員のトレーニングや昇格のお祝いのためZOOMを使ったミーティングを始めていた。 日々のビジネス活動に関するダウンラインの悩み、疑問のサポートは、本来はアップラインの仕事。しかし100%フォローすることは難しい。 ダウンの『早く確認したい』『解決したい』という要望に応えるには会社のほうでZOOMミーティングを開き、グループ毎に15〜30分程度のセッションを 定期的に行うことが役に立つと考えた。新しく昇格した方は、イベントで盛大に表彰するだけでなく、画面越しでもタイムリーにお祝いしてさしあげることが大事」
  ―――受注センターの稼働状況は。
 「通常の受付時間は9時〜21時だが、今は18時まで。オペレーターのシフトも工夫し、長時間、近い距離で接することがないよう配慮している。 感染リスクを考えれば、この体制はもう少しの間、続けていく必要がある」
  ―――各地のカウンターは。
 「来店対応を一時休止していたが、宣言の解除を受け、6月1日から営業を再開した。ただし、ショッピングフロアに一度に入れる人数は制限している。 ご購入にかけられる時間も1回あたり15分程度までとし、長時間の滞在はご遠慮いただいている。接客デスクの前には透明のシートを設け、 スタッフはマスクと手袋をつけて対応している。来店する方にも、マスクの着用と入店時の手指の消毒をお願いしている」
  ―――カウンターに併設のセミナールームの利用は。
 「やはり利用人数を制限し、ご利用後は1時間の清掃タイムを取っている。(本社内の大型会議室の)『リーダーシップウイング』はシアター形式で使った場合、 180人以上を収容可能な施設だが、現在は一度に最大30人までしかご利用いただけない」
  ―――会員の反応は。
 「『良い』も『悪い』も聞いていない。カウンターでのテスター使用などを休止したのが2月の終わり。そこから、感染防止対策への取り組みを何度も アナウンスしてきた。ことの重大さを皆さんも真剣に受け止め、納得されていることと思う」
  ―――会社主催のセミナー、イベントの再開は。
 「7月に、(リーダー会員対象の)『リーダーズカンファレンス』を全国の9会場で開く。従来は1会場あたり3時間かけてやっていたが、 1時間くらいに短縮してやる代わり、会場毎に2回、実施する。会場が密とならないように人数の制限も設ける。一方で、同じ内容のものをZOOMでも2回、 配信する予定。そちらでよいという方にはオンライン視聴をお勧めする」
  ―――他のセミナー等の再開は。
 「3月中旬から中止していた(ビジネスセミナーの)『ビジネスフォーラム(以下BF)』は、今のところ予定があるのは6月27日の名古屋会場だが、 今後の状況にもよる。また、できれば6〜7月に一度、バーチャルで30分くらいのオンライン短縮版の『BF』をやってみたい。アクセス数などの反響次第で、 続けるか決めたい」
  ―――会場での開催を中止する代わり、オンラインで実施している催しは。
 「4月に全国9会場で予定していた『ニュープロズカンファレンス』をZOOM配信に切り替え、同内容で4回行ったのだが、 『毎月やってほしい』という声が多かったことから、5月も実施した。内容はリーダークラスと傘下のディストリビューターを対象とした、 製品関連の情報提供やボーナスプログラムなどの説明。SNSを通じたアプローチのコツなども紹介している」
  ―――製品・コンプライアンス関連のセミナー、工場見学会の再開の見通しは。
 「7月頃までは厳しいだろう。今のところ、第3四半期(10〜12月)に入るあたりから、色々な制限を設けつつ再開したいと考えている」 (につづく)