海外MLM短信 韓国のコロナ対策

訪販・多段階会場をハイリスク指定 罰則付き、入出者リスト化など要

 韓国で新型コロナウイルス感染症対策を統括する中央防疫対策本部は6月21日、訪問販売や多段階販売(連鎖販売取引、MLM)の説明会場を感染の危険度が 高いハイリスク施設に追加指定したことを明らかにした。施設の消毒や入場者のリスト化、公演の提供禁止などを求め、違反には罰金を科す。 同7日にソウル市内で、訪販事業者「リッチウェイ」の説明会場において高齢者を中心に集団感染が発生。訪販、多段階販売事業者の集中検査に着手する一方、 同様の会場のハイリスク施設への追加が検討されていた。
 追加指定されたのは、訪販、多段階販売と、2業態の中間的形態にあたる後援訪問販売が行う、セミナー販売や事業説明会の会場。ほかに追加されたのは、 物流センターや300人以上を収容可能な大型の塾、バイキング専門の飲食店が提供するビュッフェの3施設。
 施設の危険度は6つの指標空間の密閉度、利用者の密集度および混雑度、飛沫の発生度、利用者の滞留時間、防疫管理基準の遵守可能性をもとに評価。 各指標の危険度を「低」「通常」「高」の3段階でスコアリングした結果、ハイリスクと判断された。
 今回、追加された計4施設の運営事業者には、6月23日より、従業員に対する出入り・症状の確認、マスクの着用、防疫管理者の配置、 人間の1〜2b以上の確保を求める。さらに、訪販・多段階販売・後援訪問販売の事業者には、入出リストの作成と4週間の保管、施設の利用前・利用後の消毒、 施設の出入り口など複数カ所への手指用消毒剤の配置、パフォーマンス・歌唱・料理の提供の禁止を求める。
 また、施設を訪れる利用者にも、マスクの着用や入出リスト作成への協力、人間の1〜2b以上の確保を求める。
 これら要請に反した場合、コロナ3法≠フ一つである感染症の予防および管理に関する法律に基づき、施設の事業主や利用者に300万ウォン以下の 罰金が科されるほか、当該施設に人を集めることが禁じられる。
 6月21日までに確認されたリッチウェイ関連の集団感染者数は計194人で、うち41人が同社説明会場を訪れた直接の感染者。残り153人は会場外で感染者と 接触した二次的感染者で、エリア別内訳はソウル108人、京畿道56人、仁川24人、江原3人、忠南3人。