DS業界の影響・対応は 3分の1に「大きな影響」、全体では7割

5割が4〜6月減収、マイナス幅1〜2割台

 アンケートではまず、新型コロナウイルス問題がダイレクトセリング(DS)各社の売上高に対して、どのくらいの影響を与えたかを調査。 影響のほとんどはマイナス面を想定されるものの、抗菌関連アイテムの需要増といった事象も生じていることから、プラス面の影響も含むものとして聞いた。
 集計の結果、「大きな影響を与えた」(17社)とした企業は有効回答の33%を占め、「小さな影響を与えた」(21社)とした企業を含めると全体の73%が 大小の影響を受けていた(グラフA参照)。
 「ほとんど影響を与えなかった」(10社)は19%にとどまり、「どのくらいの影響を与えたかはっきりしない」(2社)も4%を占めた。「その他」(2社)の 企業は記述式回答で「新客の獲得数は減少したが、既存客からの製品購入が増加した」「ブランドによって、影響の度合いに差異があった」とした。

 続いて、新型コロナ問題で政府から緊急事態宣言が出され、自治体から自粛要請が相次ぎ、営業活動の大幅な縮小を余儀なくされたことで、 4月〜6月の売上高が前年同期(2019年4月〜6月)比でどう変化したかを調査。
 もっとも多かったのは、前年同期に比べて「減った/減る見通し」(25社)とした回答で全体の49%を占めた(グラフB―1参照)。 次に多かったのは「ほとんど変わらなかった/変わらない見通し」(16社)で20%。「増えた/増える見通し」(10社)は20%にとどまった。
 売上が減ったとした25社は、その全てが、新型コロナ問題で大小の影響を受けていた計38社に含まれた。逆にみると、大小の影響を受けた企業の3分の2が 減収に見舞われた格好。新型コロナ問題にともなう影響の多くは、売上に対してマイナスの効果を生じたことがうかがえる。

 さらに、「減った/減る見通し」「増えた/増える見通し」と回答した企業に対して、売上の増減がどの程度だったかも調査。アンケートでは比較対象を 前年同期(19年4月〜6月)の売上高とし、この売上高を100とした場合、今年4月〜6月がどのくらいの値となったかを聞いた。
 この結果、減収だった企業では「90〜99」(8社)、「80〜89」(8社)の2項目が同数トップで並び、これに「70〜79」(5社)が続いた(グラフB―2参照)。このため、 売上を落とした企業の多くは、おおむね1割台〜2割台の減収幅だった。
 増収だった企業は3社が「101〜109」と回答したが、他の回答は各項目に分散し、目立った傾向はうかがえなかった。

 また、4月〜6月の売上高については、新型コロナ問題以外に影響を与えた要因・事象を記述式で聞いた。ここでは、増収だった企業から 「4月に出した、製品開発顧問による長年の研究の集大成となる健康食品が、独自技術とファイトケミカルの優位性の相乗効果を図ったことで、 タイミング的にもフィールドにマッチした」といった要因が寄せられた。
 一方、減収だった企業の間では「販売員の高齢化にともなう活動量の低下。顧客の高齢化にともなう購入意識の低下」「株価の乱高下」などが見られた。 ほとんど変わらなかった企業からは「5月に新製品2品、6月に新しいパック製品を出したこと」「オンライン注文に対する送料無料キャンペーン」などの 取り組みが寄せられた。
(続きは2020年8月6日号参照)