FMG&MISSION「新体制の1年」を聞く @

 2019年9月1日付で新社名に刷新してから、間もなく1年を迎えるエフエムジー&ミッション(本社・東京都港区、旧社名・エイボン・プロダクツ)。 旧社名時代から続く伝統を維持しつつ、韓国の化粧品大手・LG生活健康のグループシナジーを活かした施策相次いで打ち出して次の50周年≠ヨの 体制を整えている最中、コロナ禍が発生した。中陽次社長に、1年の総括やコロナ禍の影響、ウィズコロナ≠フ戦略について聞いた。
▲FMG&MISSION
取締役社長
中 陽次 氏
LGグループのシナジー、着実に社名変更の影響は意外な場面で

―――歴史ある「エイボン・プロダクツ」から新社名「エフエムジー&ミッション」へ変更して、まもなく1年です。 これまで、メンバーからはさまざまな反響があったと思われます。
 「2018年4月の体制変更、2019年9月の社名変更と、大きな動きがありました。その都度、メンバーには丁寧な説明を行い、 さまざまなご意見はありましたが、概ねご理解をいただきながら進めてきました。社名変更は、確かにインパクトはありましたが、 社名が変わっても商品は旧エイボン時代とほとんど変わらず販売していますので、大きな影響はありません。『エイボン』の象徴とも言える香水においては 取り扱いがなくなり、ロイヤルユーザーの方ほど思い入れが強いアイテムであったため、メンバーの皆さんのご意見を踏まえて、装いを変えて発売する予定です」

―――では、社名変更の影響はなかったと?
 「影響を顕著に感じたのは、2020年1月からカタログのタイトルを変更した時です。ご存知の通り、弊社はカタログ頒布による対面販売という ビジネスモデルが主軸です。年間?回程度のキャンペーンごとに作成するカタログの表紙には、2019年末まで『AVON』の名称を使用していました。 それを、年明けから『FMGMISSON』に切り替えたところ、購入が途切れたメンバーが散見されるようになりました」

 
▲LGグループとのシナジーで開発した
   「ミッションラグジュアリー」ライン
―――具体的にはどのような影響が。
 「そのような傾向がみられたのは、購入頻度の少ないメンバーです。購入頻度の高いメンバーの方々には、体制変更や社名変更について繰り返し説明する 機会があったので、大きな影響はみられませんでした。一方で、購入頻度が少ないメンバーにはご説明の機会が少なく、十分な情報が行き届かない部分もありました。 このため、『FMGMISSION』のカタログが、自分が購入している(旧)エイボンのカタログである≠ニ分からず、届いても開封もされず放置されたまま というケースもあったようです」

  ―――愛用者的なメンバーには、情報が浸透していなかった。
 「さまざまな手段でお知らせしていましたが、十分ではなかったということで、今後の課題と言えます」

 
▲若年層向けのブランド
   「CNP Laboratory」も投入
―――社名変更後、特に商品政策では新しい展開が顕著です。最高級ブランド「ミッション スムマ」をはじめ、LG生活健康とのシナジーを活かした新しい ラインナップが次々と生まれています。この背景について伺いたい。
 「この1年で投入した多くのブランドは、弊社の商品開発部が企画し、LGグループのR&Dと打ち合わせながら開発を行っています。 特に、『ミッション スムマ』は従来のラインナップとは価格帯やデザインなども大きく異なります。『ミッション スムマ』を筆頭に、 『ミッション リュクス レーヴ』『ミッション エクラ LX』『ミッション クルルージュ』の4ラインは、『ミッション ラグジュアリー』と位置づけて、 美容に高い関心をもつシニア世代前後、つまり弊社のコア層をメーンターゲットとしています。その一方で、韓国で人気のコスメブランド 『CNP Laboratory』などの若年層向けも投入して、幅広い世代に紹介しやすいラインナップを揃えています」 (つづく)