2019年の韓国MLM

市場規模 前年並み5.2兆ウォン、報酬取得者数は3年連続マイナス

 韓国FTC(公正取引委員会)が7月15日までにまとめた2019年の韓国の多段階販売(MLM、連鎖販売取引)市場は、総売上が前年比で0.15%増の 5兆2284億7566万8722ウォン(付加価値税含む、約4894億円)となった。18年(約5.1兆ウォン)に続き2年連続で過去最高額を更新したが、 実質前年並みだった。

販売員数69万人減平均取得額2%増
 調査対象企業数は20年4月末時点で営業する130社で、前年と変わらず。登録販売員の総数は7.6%減の834万4523人で、 人数ベースは約69万人の減少。FTCは総数について、複数の会社に重複登録するケースがあり「実際の人数はこれより少ない」としている。
 ビジネス会員にあたる、後援手当(ボーナスやコミッション)を受け取った販売員の総数は152万7566人で、2.5%減。17年(4.0%減)、 18年(0.4%減)に続き3年連続の減少となった。人数ベースは約3.9万人の減少。販売員のうち、後援手当を受け取ったのは18.3%で、 構成比を18年から1.0ポイント高めた。
 支払われた後援手当の総額は1兆7804億2380万2474ウォンで0.1%減。総売上と同じく前年並みだった。
 後援手当を受け取った販売員1人あたりの年間平均取得額は116万5530ウォン(約10.9万円)で2.5%増。 トップリーダー層にあたる後援手当取得者の上位1%における平均額も増やし、1.9%増の6410万1981ウォン(約600万円)とした。
 FTCは報告書で、後援手当を得た販売員のうち、83%にあたる約127万人の年間取得額は50万ウォン(約4.7万円)未満だったとしている。

PMインターが9位に急上
 売上高上位20社(表参照)の総売上に占める構成比は81.9%で、前年より1.5ポイント上昇。順位は1〜5位で前年と変わらなかった。
 6〜20位で最も順位をあげたのはPMインターナショナル(約903億ウォン、約84.6億円)。売上を7.5倍とし、前年の52位から9位に急上昇させた。 販売員数は3.5倍の約10万人、報酬取得者数は6.4倍の約2.3万人だった。同社はドイツ系のMLM大手で、19年度の世界総売上は約11億ドル。 韓国では18年3月に事業登録し、健康食品の「フィットライン」シリーズが売上の大部分を占める。
(続きは2020年8月13日号参照)