FMG&MISSION「新体制の1年」を聞く A

 引き続き、エフエムジー&ミッション(本社・東京都港区、旧社名・エイボン・プロダクツ)の中陽次社長に、 コロナ禍の影響やウィズコロナ℃梠繧フ戦略について聞いた。
▲FMG&MISSION
取締役社長
中 陽次 氏
カタログ頒布、コロナ禍でも強みに デジタル施策の専門部署を新設

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  ―――LGグループのシナジー効果は十分に得られている。
 「LG生活健康は韓国国内において日用品部門で約4割、化粧品で約2割、ビバレッジ事業で約3割のシェアを占めており、特に日用品部門が得意分野です。 コロナ禍でアルコール洗浄剤やハンドソープの需要が急激に高まり、弊社でも注文が殺到しました。そのような事態に即時対応できるのは、 LGグループのシナジーによるものです」
  ―――新型コロナウイルスの感染拡大の影響が国内外で出ています。御社での状況は。
 「緊急事態宣言下では他社同様、営業活動が大きく制限されました。対面での活動はほぼ2カ月間、禁止しました。 現在は感染防止対策を講じながら活動を徐々に再開していますが、メンバーの表彰イベントや全国?カ所での新製品紹介イベント、報奨旅行など、 さまざまな行事が中止を余儀なくされました。コロナ禍の状況次第ですが、秋には少数単位のセミナーを開催できるよう計画しています」
  ―――業績への影響は。
 「2020年?月期上半期(1月〜6月)は、前年同期比?%減となりました。売上減は覚悟していましたが、コロナ禍の中では抑えられたと言えます。 商品面では、アルコール洗浄剤、ハンドソープといった衛生用品が大きく伸長したほか、社会的にテレワークによるオンライン会議の導入が進んだことから、 アイメイクも好調でした。また、『ヴィタリータ ラヴィ』『高麗人参 EX』といった健康食品も需要が高まりました。高麗人参関連では、 手軽に摂取できる個包装のペーストタイプも発売を予定しています。一方で、外出自粛やマスク着用生活の影響で、口紅の売上が落ちました。 コロナ禍の影響が予想の範囲内でおさまったのは、女性にとって化粧品が生活必需品であること、直接会えなくてもカタログをお渡しして やり取りできるというビジネスモデルの強みが背景にあります」
 
▲アナログとデジタルの併用で“ウィズコロナ”に対応
(写真はカタログ奄ニ公式オンラインショップ)
―――海外市場への輸出については。
 「韓国市場への輸出については、既に始めています。旧エイボン時代に輸出を行っていた欧州エリアは、コロナ禍の影響や現地でのニーズの差異などもあり、 停滞しています。新しい動きとしては、同じLG生活健康の傘下であるニュー・エイボンに、スキンケアブランド『ミッション リュクス レーヴ』をテスト的に 輸出しています」
  ―――ウィズコロナ≠フ生活は、今後しばらく続きそうです。
 「既に各エリアのDSM(ディストリクト・セールス・マネージャー)との打ち合わせなどにはオンライン会議を導入しており、 非接触型コミュニケーションを行っています。また、メンバーに対しても、Webを活用した教育ツールの準備を進めています。そのために、 デジタルコミュニケーションを開発する専門部署を新設しました。ただ、弊社の場合、さまざまなツールをすべてデジタルに切り替えるということは難しく、 アナログとデジタルを上手く併用しながら、ウィズコロナ≠ノ適応したコミュニケーションのあり方を模索している最中です」
  ―――最大の特徴であるカタログ頒布も、今後は変わっていくと。
 「カタログを含めたさまざまな販促ツールは、将来的に変わっていくでしょう。一方で、紙のカタログをお届けすることがコミュニケーション上、 大きな役割を果たしていることは確かなことです。メンバーにとって、何がベストなのか、それが最も重要です」
(おわり)