トップインタビュー ライフバンテージジャパン 塩川 英一 社長

コロナ下で「定期注文」売上が拡大 6月は売上、新規とも過去最高に
▲ライフバンテージジャパン
塩川 英一 社長
 ライフバンテージジャパン(東京都目黒区)の20年6月期売上高は前期比1.1%増の45億7800万円で、 下半期において新型コロナウイルス問題の影響を大きく受ける中、2年ぶりの増収となった。主力のサプリメントがコロナ下でニーズを高めると共に、 定期注文(オートシップ)の単価、件数が押し上げられた。年初に苦戦した新規登録も3月以降は徐々に回復。6月単月は過去4年で最高の実績を達成するなど、 上昇トレンドに乗る。塩川英一社長に話を聞いた。 (インタビューは9月10日にZOOMで実施)

登録時単価に増税影響じわり

  ―――20年6月期は約1%の増収だった。
 「好調だった上半期(19年7〜12月)に対して、下半期(20年1〜6月)は1〜2月で数字を落としたが、3月以降、徐々に調子を戻した。 特に6月の単月実績は、私が4年前に入社後、最高の売上と新規登録数を達成した」
  ―――四半期売上で見ると第1Qは約6%増、第2Qは約1%増と伸ばした。
 「第1Qは9月にジャパンコンベンションを開催し、会場のストア売上も寄与した。第2Qは10〜11月の新規促進プロモーションなどが上手くいった」
  ―――第3Qは約2%減。不調だったという1〜2月の理由は。
 「昨年10月の消費増税の影響がじわじわ出たように感じる。一つが、新規のディストリビューター(=ビジネス会員)が登録時に購入する製品パック。 もっとも高い『プラチナパック』(税込み15万8400円、1000PV)ではなく、半値の『バンテージパックマスター』(同7万9200円、500PV) を選ぶ方の比率が高まった。主力のサプリメントは軽減税率の対象だが、化粧品等と組み合わせたパックはどれも税別1万円以上するので、 パック全体が軽減される一体資産≠ニ見なされない」
 
会員の活動、オンラインにシフト

―――通期のトータルでは増収とした。挽回できた要因は。
 「新規登録は、調子を戻した3〜6月の合計数で前年同期を上回った。ただ、1年を通じた総数は前期を下回った。 価格の低いパックを選ぶ新規が増えたことで、ニューサインアップの客単価もマイナスだった。
 これらだけ見ると減収でもおかしくないが、ディストリビューターの定期注文が好調だった。前期より件数で4%増、売上で7%増。単価は3%上がった。 カスタマー(=愛用会員)の定期注文も、件数と売上は減らしたが単価はアップした。全売上の4分の3は定期注文が占める。出荷数ベースだと88%が定期注文。 これが伸び、増収を達成できた」
  ―――3月以降の回復時期はコロナ禍と重なる。フィールドの活動状況は。
 「4〜5月の段階で、ZOOM等のリモートツールを使ったオンライン活動がよく見られた。全く人と会えず、ビジネスが進まないという状況ではなかった。 それで5〜6月の良い結果につながったと思う。新規が増えて、コンプライアンス上の問題が生じたということもない」
  ―――オンラインでのビジネス活動は以前から見られたのか。
 「多少は取り組まれていたようだ。が、月1のミーティングで遠隔地の方がZOOMで参加するくらい。 今は、新規向けの事業説明会や既存メンバー向けのミーティング、製品に特化したトレーニングなどが日常的に行われている。 遠く離れた方と、いつでもABC≠できるメリットは大きい。ZOOMミーティングでスケジュールが埋まり、コロナ前より忙しくなったという話も聞く」
  ―――オンラインのリクルートで入ってくる新規の割合は。
 「詳しい数値は出していないが、登録手続きはほぼ100%、オンラインで行われている。社員はリモート勤務を続けているため、 郵送登録だと処理に時間がかかる。フィールドにオンラインの活用を呼びかけ、理解を得られている」
  ―――コロナにともなう会員の支援策は。
  「4〜6月は、毎月20日のコミッション支払い日を前倒しして15日に支払い、喜んでいただけた」  
(続きは2020年10月15日号参照)