アリックス・宮城GMに聞く処分の深層

ルールの抜本的見直し「もっとやっていれば」

 消費者庁から特定商取引法違反で連鎖販売取引事業に9カ月の停止命令を受けた「アリックス・ジャパン」(東京都港区、20年12月3日号3面既報)。 「いい話がある」とだけ告げて勧誘したり、4時間に渡る長時間勧誘などが行われていた。なぜ、違反行為を生じたのか。ゼネラルマネージャーの宮城邦夫氏に話を聞いた。
(インタビューは12月11日にZOOMで実施)
▲アリックス・ジャパン
ゼネラルマネージャー 宮城邦夫
 

  ―――いつ、立入検査を受けたのか。
 「(20年)1月21日の朝早くに来られた」
  ―――弁明機会の付与での主張は。
 「問題を解決するため、会社としてどのような取り組みを行ってきたか、具体的に説明した」
  ―――処分で氏名等不明示、迷惑勧誘、概要書面不交付の違反を認定された。
 「認定の内容に相違はない」
  ―――どのような背景から違反行為を生じたと考えられるか。
 「一つには、当社の特徴だった、若い世代のリーダーたちの存在があると思う。一概に全員がそうとは言えないが、若い人は向上心が高かったり、 より結果を重視しがちだったりする。あくまでビジネスとしてやる以上、特商法の規制のみならず仕事への向き合い方も含めて十分な教育が必要だった」
  ―――消費者庁がまとめたPIO―NETデータによれば、相談者の平均年齢は約26歳、年代で20歳代が79%を占めていた。
 「当社の会員データだと、20歳代が約半分で、30歳代が17%。合わせて7割くらいを占める。実際にコアだった層は20歳代後半から30歳代前半」
  ―――ほかに考えられる背景は。
 「この2年間で売上が2倍近くに増えていた(※1)。拡大のスピードに教育が追い付いていなかったかもしれない」
  ―――どのような取り組みが必要だったと考えるか。
 「当社では(15年から)コンプライアンストレーニングの修了とテストへの合格をコミッションの支払い条件としていた。(20年)7月からはさらに厳しくし、 合格しないとスポンサリング自体できないようにした。検査を受ける前に、そういった抜本的なルールの見直しをもっとやっていればどうだったかと考える」
  ―――ほかに、必要だったと考える点は。
 「幾つかに分かれたタイトルの中に『オフィサー』というタイトルがある(※2)。フィールドでは『そこ(=オフィサー)からがスタート』というイメージを 強くもたれていたと思う。実際は、『オフィサー』へ至るまでに『マネージャー』や『ディレクター』といった複数のタイトルが小刻みに用意されているのだが、 それらを二段飛ばし、三段飛ばしして『オフィサー』から始めようとする風潮があった。そのことに対して『きちんとステップを踏むことが大事』 『決して無理をしないで』といったメッセージを会社としてもっと出せのではないか」
(続きは2021年1月14日号参照)