水回りの修理訪販「アクアライン」に停止9カ月 消費者庁が特商法で

トイレ一式交換を勧誘「部品製造終了」とウソ 勧誘指導したお客様相談室長にも禁止命令

▲WEBサイト(=写真)等を見て、
無料の見積もりや数千円程度の水回り修理を依頼した消費者に、
数十万円する工事契約を勧誘し、
クーリング・オフを申し出られると「できない」などと告げていた
PIO相談700件「水道屋本舗」展開

 積もりや数千円程度の水回り修理サービスを依頼した消費者に、数十万円する改修工事を勧誘し、 クーリング・オフを申し出られると「材料費だけでも払って」と告げたり、 修繕用部品の製造が終了しているかのように告げてトイレ一式の交換を勧誘したとして、消費者庁は8月31日、 特定商取引法違反(不実告知、迷惑解除妨害)で「アクアライン」(本店所在地・広島市中区)の訪問販売業務に9カ月の業務停止命令、 指示を行った。代表取締役の@「大垣内剛」、お客様相談室室長のA「蛭間勝利」の2人に業務禁止も命じた。

PIO相談700件「水道屋本舗」展開

 処分を行った同庁取引対策課によれば、禁止命令を受けたAは、お客様相談室室長として消費者からの苦情相談対応の責任者を務めると同時に、 「従業員に対して勧誘の手法等を指導、指示する立場にあった」「社内研修とかの講師全般を務め、指導役、指南役だった」という。 同社の次長も務めていた。
 また、消費生活センターが仲介あっせんしたク・オフの申し出に関して、同社の迷惑解除妨害を認定した行為は、営業マンとは別の従業員が行っていた。 取引対策課は、認定された行為をお客様相談室の従業員が行ったかについて、「実際的に、消センの相談員といったところの問い合わせへの対応は、 お客様相談室の従業員が行う。そういう理解でいいと思う」とした。
 寄せられていた関連相談件数は、PIO―NETベースで?年度以降、約700件に達していた。
 同社は95年の設立。水道屋本舗≠フ屋号で、トイレや台所、浴室、洗面所、給排水管等の修繕などの役務を提供。WEBサイト、 マグネットチラシの投函、電話帳広告等を通じ、電話等で依頼を受けて営業マンが来訪していた。

事業年商50億円 訪販売上は1割

 同社公表の資料によれば、昨年は後半から入電数が増加。採用も好調だったという。近年は、会社買収によりパーソナルトレーニング事業、 リフォーム紹介事業にも進出していた。従業員数は402人(2月末時点)。
 総売上の87%を占める水まわり緊急修理サービス事業≠フ売上高は、19年2月期=50億9600万円、20年2月期=51億100万円、 21年2月期=52億4300万円。9月2日の同社発表によれば、訪問販売契約による売上は同事業の約10%を占めるという。
(続きは2021年9月9日号参照)