ビットマスターが第3回債権者集会

財団預金 残高ほぼ変わらず、負債合計の1.7%

102億円相当のBTC、探索さらに継続
 破産手続き中の仮想通貨MLM「ビットマスター」(以下ビ社、鹿児島市)の第3回債権者集会が10月13日、東京簡裁内で開かれ、 管財人から資産の回収・換価状況が報告された。破産財団預金残高は今年3月の第2回集会時点とほぼ変わらず、負債合計の1.7%にとどまることなどが明らかとなった。 今後は引き続き、パソコンの故障で取り出し不能となっているビットコイン(BTC)の探索や貸付先からの債権回収に努める方針が示された。 次回集会は来年4月27日の予定。
負債の85%、MLM会員の未払いBTC
 集会で報告された預金残高は約1億7400万円、負債合計は約104億4400万円(9月30日時点)。
残高は、前回集会で報告された約1億6500万円(1月31日時点)から約900万円のプラス。負債は約5億円のマイナスとなった。
 負債合計の約99%はMLM会員に対する一般債権で、同合計の約85%は会員が所有権をもつ未払いBTCで占められる。 会員の一般債権数は1万8916件(9月30日までの届け出の合計)。
 なお、同債権のうち135件については、届け出の内容に不備等がみられることから管財人より意義を申し立てる予定とされている。 135件の債権合計額は約1億1800万円。
 取り出し不能となっているBTCは、ビ社から関係会社の「BMEX」(以下B社、破産手続き中)に管理を委託していた約1651枚分で、 第3回集会が開催された13日時点の相場で約102億1900万円相当。B社が管理するレジャーナノ端末内からBTCを取り出すのに必要なコードや、 バックアップ用のコードを記憶していたパソコンが19年8月の事務所火災により故障し、専門業者への依頼で回復を試みていた。
 今回の集会では「第2回財産状況報告集会後も、専門機関等とも協調し、引き続き調査を行っている」(報告書より)とされた。
 また、故障原因とされている火災事故をめぐっては、保険会社から火災保険金の支払いを拒否されたため、 約185万円の支払いを求めて昨年12月、東京地裁に提訴。現在も係属中という。

(続きは2021年10月28日号参照)