消費者庁の22年度予算 取引対策課は1人増員、予算11百万円増

販売預託取締り、新ポストは認められず

 改正特定商取引法および預託法の執行強化などを目的に増員や予算の積み増し、新ポストを要求していた消費者庁の2022年度予算案が21年12月24日、 閣議決定を受けた。増員と予算増は一部が認められた一方、新ポストの設置は見送られた。一般会計予算の総額は、 21年度に対して1.2%減の117億3000万円(デジタル庁に移管計上される情報システム関連予算9億2000万円を含む、 復興特別会計枠の2億8000万円は除く)。8月下旬の概算要求では、復興特別会計枠と新たな成長推進枠も使い、 21.5%増の144億2000万円を求めていたが減額された。

6人要求→2人増

 増員は、特商法と預託法を所管・運用する取引対策課において、「特商法・預託法改正による被害・トラブル防止」を目的に求めていたもの。 概算要求の6人に対して、2人が認められた。ただし、21年度末に時限定員1人の契約が終了するため、実質1人の増員となる。 取引対策課の21年7月1日時点の定員は36人。
 過去の増員は、17年12月の改正特商法施行のタイミングで、被害規模や社会的影響、悪質さの程度が大きい案件を専門に調査するためとして、 18年度概算要求で8人を求め、6人を認められたことがある。
 設置を見送られた新ポストは「預託等取引対策室長」。改正預託法の執行業務全般を担当し、 「ジャパンライフ」事件等をきっかけに原則禁止となった販売預託取引(オーナー商法など)関連トラブルの対応にあたる予定だった。

預託法執行に37百万円

 取引対策課の「消費者取引対策の推進」予算は5.2%増の2億4070万円が認められた。金額ベースは1180万円の増額。 概算要求では、新たな成長推進枠も使って44.7%増の3億3120万円を求めていた。
 主な内訳は、新規予算として「預託法の執行」を目的に3700万円を計上。
(続きは2022年1月13日号参照)