アシュラン「見せる施設」探訪A 格調の高さで満足度向上

地域とのつながり作る「ホテル泉國邸」
化粧品企業ならではのおもてなし


▲格調のある外観の「ホテル泉國邸」
 2024年3月に30周年を迎えた、スキンケア化粧品などを展開するアシュラン(本社・福岡県大野城市、東孝昭社長)。強固な地盤を築いてきた同社は、本社のある福岡県大野城市だけでなく、 東社長の出身地である鹿児島県出水市において、「見せる施設」「見える施設」を展開、会員や地域に還元し、地域密着の取り組みを行ってきた。「出水酒造」に続いて、 ハイグレードな設備とサービスを提供している「ホテル泉國邸」を取材した。

名称に込めた地域貢献への思い


  出水酒造の隣にある「ホテル泉國邸」は、福岡県大野城市のアシュラン本社に隣接するホテル「グランドエンパイアホテル」のスケールを小規模にした印象を受ける造りとなっている。 ただし、営業開始は「ホテル泉國邸」の方が先で、2016年4月開業だ(グランドエンパイアホテルは2018年開業)。名称は、アシュランの東孝昭社長の出身地である出水市において、「さまざまな形で貢献したい」という思いと、 出水酒造で焼酎づくりにも用いられている、地下250メートルから汲み上げた天然水の「湧き出る泉」というダブルミーニングをもつという。
▲ゆったりとした「スタンダードツイン」
 鶴の里として知られる出水市には、毎年多くの観光客が訪れるが、「ホテル泉國邸」も、アシュランの会員だけでなく、一般の利用も多くみられるという。JR出水駅周辺では、数軒のビジネスホテルや旅館などが営業しているが、 宿泊や食事などを楽しめるタイプの宿泊施設は少ない。一方で、「ホテル泉國邸」は高級感のある設備やハイグレードな食事を提供する施設として需要を獲得しており、宿泊だけでなく地域に根付いた施設として活用されているのが特徴だ。
▲婚礼や各種会合で利用される宴会場(写真は鳳凰)
 ホテルのエントランスに入ると、ヨーロピアン風の内装が目を引く。壁は漆喰、床と柱には大理石が使用され、高級感のある造りとなっている。敷地面積約2292坪、のべ床面積約3019坪の「ホテル泉國邸」は、 地上5階・地下2階建て。約?平方メートルの「スタンダードツイン」が?室、約?・5平米の「ジュニアスイート」が2室、合計?室の客室を備えている。また、100人程度を収容できるホール「鳳凰」、
▲地元食材を使ったメニューを提供する「アンテェナアト」
同じく?人程度収容可能な「鶴」と「竹」のホールや、レストラン「アンテェナアト」、出水市のブランド牛「北さつま のむら牛」を振る舞う鉄板焼「鶴庵」など、宿泊施設に求められるニーズに応えられる機能を有する大規模施設だ。 外観は前述の通り、「グランドエンパイアホテル」と同様、外壁には明るいベージュの花崗岩が用いられており、グリーンの屋根と相まって、アシュランのスキンケア化粧品容器ともリンクし、統一感を感じさせるものとなっている。

多様な利用者へ配慮した設計


 宿泊施設としての特徴はいくつもあるが、分かりやすいのは、一般的なホテルに比べて廊下や客室などがゆとりをもって設計されていることだ

(続きは2024年6月13日号参照)