「製品転売」、ニュースキンが対策強化

Amazonに公式ストア、「正規品証明」を活用
他サイト出店も検討、転売会員は以前より厳正処分



▲Amazon公式ストア(=写真)で販売する製品は、転売品と区別できる「AmazonTransparency」プログラムを活用
 長年、MLM各社に共通の問題となっている自社製品の「転売」。ボーナス取得やタイトル昇格・維持のため、製品を買い込んだ会員が買い取り業者へ横流しを行い、総合通販サイトやオークションサイト、フリマアプリ等で、会員価格より安い値段で販売されている。この問題に対して、業界大手のニュースキンジャパン(本社・東京都港区)が対策を強化。Amazonの公式ストアで製品の販売を始め、正規品であることの証明制度も活用し、マーケットプレイスで転売されている非正規品の排除を目指す。同社は以前より、転売を行った会員を厳正に処分してきた。新たな試みが成果を上げるか注目を集めている。
 

会員価格より安価

   ニュースキンジャパンは4月1日、海外市場と足並みをそろえた「ブランドコントロール戦略」の推進を発表した。目的は企業認知向上とMLM会員のビジネス環境の改善。施策として@サードパーティマーケットプレイスへの公式出店、A検索エンジンやソーシャルメディアへの投資、Bアンバサダー活用の更なる強化の3点をあげた。
 中でも大きな柱に位置付けたのが@。これがAmazonでの公式ストア開設となる(ABは、検索エンジン広告やインスタグラム広告、著名人を起用したマーケティング活動の強化など)。
 周知のとおり、Amazonのマーケットプレイスでは、MLM各社の未使用品・未開封品の転売が横行している。本紙の確認では、マーケットプレイスでの転売は11年に始まった。当時の時点で数百のアイテムが出品され、今や無視できない安売り市場≠形成している。
 このような状況はニュースキンも同様。主力サプリメント「ライフパック ナノプラス」の場合、4月14日時点で10事業者が出品。最安値は1万7250円で、会員価格の2万452円より16%ほど安い。
 紹介文には「過去1か月で200点以上購入されました」と記載され、「Amazonおすすめ」マークも付くなど、売れ筋≠ニなっていることが窺える。

固有コードを発行

 当然、以前よりニュースキンも看過できない問題と認識してきた。今回の公式ストア開設を機に「流通している非正規品の抑制」を目指すとする。
 4月14日までにフロントページを開設。今後、製品毎のページを立ち上げ、正式に販売を始める。まずは、Amazonで転売されている製品のうち、同社の人気製品でもある33アイテムを取り扱い、将来的に全アイテムの販売を目指す。
 製品は、Amazon側から発送。Amazonのアカウントがあれば、同社に登録せずとも注文できる。
 販売価格は「会員価格より高く設定する」「会員が、今後も一番安く弊社製品を購入できることに変わりはない」と説明。したがって、転売品の価格は上回ることになるようだ。
 一方、公式ストアで販売する製品は、Amazonが運用する正規品証明制度を活用。これにより「非正規販売店との差別化が明確になり、非正規品の抑制が可能」としている。
 制度は「AmazonTransparencyプログラム」(以下AT制度)。Amazonサイトの説明によれば、製品に固有のランダムな英数字のコードを発行。パッケージに小さな正方形のバーコードとして印刷する。

(続きは2025年4月24日号参照)