社説 DS化粧品 ”自分らしさ”の提案こそ

ライフスタイルや価値観が多様化する中、メーンターゲットをどのような層に設定するのか、ダイレクトセリング化粧品企業にとって重要な問題だ。 これに関連して、ブランドを通して”その人らしさ”を提案する動きがこのところ活発化している。 ブランドのコンセプトに共感する女性への訴求を強めることで、コアユーザーの獲得を進める狙いだ。
最大手のポーラが7月に大幅刷新を果たした「アペックス」は、さまざまな技術革新によって実に862万通りものアイテムを提案することができる 「パーソナライズドスキンケアブランド」だ。”自分らしさ”を大切にする現代女性にとって、 ”自分だけの化粧品”を提供する「アペックス」は魅力的なアイテムであり、ポーラでは最高峰ラインの「B.A」と並ぶ基幹ブランドと 位置づけている。新「アペックス」はまた、顧客とアペックスパートナーが共に創る「共創」というコンセプトをもつ。化粧品の従来の価値観を超え、 新たに化粧品が周囲にもたらす影響等も取り入れたもの。「アペックス」においては、顧客とアペックスパートナーがこのコンセプトに基づいて、 継続して肌を改善するサイクルを作り上げていくことにフィードバックされている。現代女性は、 スキンケアや自身の肌についても、”自分らしく生きること”を求める傾向が強まっており、 新「アペックス」によって多様化・細分化が進む女性のニーズに対応していくとしている。
ナリス化粧品は、5月に発売した新ベースメーク「アミュルテ」において、”自分らしさ”を求める20~40代女性に訴求している。 この世代の女性は、仕事や家事、育児等、多様なライフスタイルをもち、ビジネスパーソンとしての顔、家族の中では「母」「妻」の顔、 は近所づきあいや学校、習い事関係の顔、友人との顔等、さまざまな顔をもつ。同ブランドは、 シーンによって求められるさまざまな自分らしい顔を簡単に表現できる点を特徴としている。簡単・手軽でありながら、 しっかりとスキンケアやメークを行いたい需要は非常に多い。ナリス化粧品では、そのような現代女性のニーズに合わせて、 サロン展開ではクイックエステメニューを中心とした「ナリス ビューティサロン」を商業施設で展開する等、 幅広いニーズに対応する施策を行っている。
ナガセビューティケァにおいても、9月発売の新スキンケアブランド「RASISA(らしさ)」で、 ”自分らしさ”を大切にする現代の大人の女性をメーンターゲットと位置づける。 肌の水分量が減少し始める30代以上の女性が最も重視するうるおいに注目しており、ボタニカル成分を配合し、 うるおいをキープする「肌フローラの美肌菌(表皮ブドウ球菌)」をケアする。また、ニーズの多い時短ケアにも着目し、 シンプルで使いやすいラインナップを揃えた。先ごろタニタフィッツミーとコラボレーションによって女性向けフィットネス&美容サロンを オープンした同社では、サロンにおいて「健康美容アドバイザー」を配置し、個々の会員に合わせた美容・健康サポートを行っている。 各社でコアユーザーの掘り起こしが進んでいるようだ。