DS化粧品 ハイブランドで付加価値訴求

 ダイレクトセリング化粧品分野では、高付加価値・高機能化が近年の大きなトレンドだが、この流れがさらに強まっているようだ。 国内化粧品市場では、美容に高い関心をもつコア層をターゲットとしたハイブランドと、コストパフォーマンスや多機能性を重視した層との二極化が進んでいる。 この中で、ハイブランドでは、美白やエイジングケアといった人気カテゴリーにおいて、国内だけでなく、アジア圏の富裕層を中心にニーズが高まっており、 各社が新製品開発に力を入れる一要因にもなっている。
 高付加価値・高機能アイテムは、各社の研究開発力の粋と言っても過言ではなく、フラッグシップアイテムとして位置づけられている。オッペン化粧品は、 創立60周年時に投入した最高級スキンケアブランド「アルティメイト」3品のリニューアルを2018年から実施しており、 今年9月にクリームを刷新してリニューアルを完成させた。メーンターゲットは、オッペンブランドを良く知り親しんできたロイヤルユーザー。
 「原料」「技術」「設計」「製法」にこだわりを凝らしたシリーズには、独自のハリ成分「白花エキス」などを採用し、差別化を図った。 他のハイブランド化粧品にもみられるが、使い心地や香りといった感性的な部分にもこだわりをもたせ、美容意識の高いコアユーザーが気に入って使い続けられるような 工夫もなされている。
 最大手のポーラは、7月にパーソナライズドスキンケアブランド「アペックス」を大幅リニューアルし、最新の研究成果とAIを用いた肌のビッグデータ活用によって、 862万通りものスキンケアを提案できるシステムをスタートさせた。最高峰ブランド「B.A」においても、若年世代向けの「Red B.A」や、「B.A」の メークライン「B.Aカラーズ」のラインナップを拡充している。「B.A」はシリーズで年間300億円以上の売上規模を誇る、文字通りポーラブランドの柱。 「アペックス」とともに、高付加価値ブランドとしての存在感を強めているようだ。
 ハイブランドの展開を、サロンや店舗と連動して取り組むケースもみられる。ノエビアは、最高峰シリーズ「ノエビア スペチアーレ」から 新アイテムのヘアケアアイテム「ノエビア スペチアーレ セラムヘアマスク」を発売する。同社は、同名の直営店を東京・表参道で運営しているが、 今年8月には東京・銀座にも直営店を銀座にオープン。ブランドの発信拠点と位置づけるとともに、「スペチアーレ」を用いたトリートメントメニューを展開し、 高級感のある個室でラグジュアリーな時間を提供するとしている。ナリス化粧品では、グループ会社でエステティックサロンを展開するルミエ・パリを通じて、 最高級スキンケアブランドの名を冠した専売ブランド「セルグレース ルミエ・パリ」を展開。同ブランドは、「エステティックサービスで使う化粧品を自宅でも使用する」 がコンセプト。グループシナジーによって生まれたブランドによって、サロンでの施術と家庭でのケアの相乗効果をもたらすとしている。