独自の付加価値提案こそ

  コロナ禍下の生活も、2カ月 以上が経過した。この夏、感染 がひとまず収まるのか、それと も新規感染者が続出するのか、 見通しが難しい部分はあるもの の、少しずつ〝コロナ前〟の生 活に近づけようとする取り組み も始まっている。他方では、長 期戦を見据えて〝ウィズコロナ〟 に対応した取り組みも相次いで 打ち出されている。
 微細藻類(マイクロアルジェ) の健康食品をはじめ、化粧品、日 常食品など幅広い分野で展開す る日健総本社が6月中旬から販 売を開始した噴霧式の清涼飲料 水「クロスタニン藻の凄い贈り 物」は、その最たるものだろう。 微細藻類「コッコミクサ」の抽出 物を主成分とした飲料だが、同 社は〝コロナ禍〟より以前に、コ ッコミクサの有用性に関する産 学連携の共同研究を愛知医科大 学と行った結果、「抗ウイルス 剤及びその製法」に関する特許 を取得済み。実証実験では、過 去に流行したインフルエンザウ イルスなどに対する抑制効果が 明らかになっていることから、 同じタイプのさまざまなウイル スにも有効と考えられるとい う。外出時の使用も考慮し、携 帯な便利なサイズの容器を採用 したのも、コロナ禍下でのニー ズを踏まえてのことだ。「コッ コミクサ」を含有した商品はこ れまでにも取り扱っていたが、 プロポリスやコッコミクサ含有 商品の反応が増えていることか ら、より身近なかたちで摂取で きる 商品の開発に踏み切った。
 ダイレクトセリング化粧品市 場では、フェイスシールドやマ スクの着用、体温測定など感染 対策を万全に施した上で、サロ ン営業の再開が相次いでいる。 マスクはともかく、フェイスシ ールドを着用しての接客は、ス タッフ、顧客ともに当初は違和 感があると思われるが、〝ウィ ズコロナ〟時代を切り抜ける施 策として浸透していくのかもし れない。商品面では、何と言っ ても消毒用アイテムの売れ行き が急激に伸びているようだ。シ ーボンでは、植物由来のアルコ ールを用いた手指用ローション 5月に発売。予想以上に引き合 いが多く、原料・資材の調達が 整い次第再生産し、対応してい く構えだ。ワミレスコスメティ ックスでは、もともとサロン用 として保湿成分を配合したハン ド用清潔スプレーを取り扱って いたが、コロナ禍の影響で一般 の愛用者からの問い合わせが相 次いでいる。手指消毒の機会が 増えたことに加え、「保湿成分 配合」という化粧品企業として の付加価値が、感染防止だけで なくハンドケアもしたいニーズ を捉えた。このほかにも、〝コ ロナ太り〟を踏まえ、ナリス化 粧品では「ぐーぴたっ」シリーズ など、手軽に食生活をサポート するアイテムを提案している。
 どのような状況でも、その企 業独自の付加価値を訴求した商 品・サービスこそが求められて いると言えよう。