対策講じて〝2度目の冬〟乗り切れ

  2020年は、新型コロナウ イルスの感染拡大の影響によっ て、社会が大きく変わった節目 の年として多くの人の記憶に残 ることだろう。リモートワーク をはじめとするIT技術を活用 した働き方、マスク着用や手洗 い・うがいといった衛生管理、 消費行動など、あらゆる分野で 変化がもたらされた。ダイレク トセリング分野においても、対 面での従来型の手法と、オンラ インによるイベント等、アナロ グ・デジタル双方のメリットを 組み合わせながらウィズコロナ 時代のビジネスモデル構築を進 める動きが目立った。
 言うまでもなく、このビジネ スにおいては、対面でのカウン セリングやお手入れが顧客との 関係性構築に重要な役割を担っ てきた。コロナ禍によって3密 の回避などが求められるように なり、緊急事態宣言が発出され た春頃には、一時的にほぼすべ ての対面での活動を休止せざる を得なくなった。新型コロナウ イルスの特性が認知されるよう になった現在は、闇雲に感染を 恐れるのではなく、感染リスク を下げる方策を取り入れながら の営業活動が行われるようにな った。また、サロン全盛時代に あって、自宅への訪問という昔 ながらのスタイルのメリット (=密の回避)が見直され、現 代女性のニーズに合わせた形で 活用する動きもある。ナリス化 粧品が10月から実施している自 宅エステサービスは、サロンと 同様のフェイシャルエステを自 宅でも提供するもので、その最 たるものと言える。
 一方、多くの会員・販売員が 集まる大規模イベントに関して は、企業によって開催手法が分 かれている。ITを積極的に導 入している企業では、全国大会 自体をリモートで開催し、そこ で新製品や新施策を発表するケ ース がみられる。他方では、 「メンバーが一堂に会す」とい うこのビジネスには欠かすこと の出来ない一体感、結束力を重 視して、リアル開催という選択 をする企業も。今年7月に創業 40周年を迎えたワミレスコスメ ティックスは、毎年12月に全国 大会「出逢いと感謝の集い」を 催してきた。今年は、ソーシャ ルディスタンス確保のため人数 を制限するとともに、参加者全 員に主催者負担でPCR検査を してもらうという、入念なリス ク管理を行った上での実施とな る。コロナ禍の中での開催には さまざまな意見があったが、節 目の年であり、同大会がワミレ スにとって非常に大きな位置づ けであることからリアル開催を 決定した。
 コロナ禍の中での2度目の冬 を迎えることになるが、引き続 き感染防止対策を十全に講じな がらの社会経済活動が求められ ることになる。昨シーズンに比 べれば対応もかなり進んでいる ものの、感染拡大が続いている ことから、気を緩めることなく 乗り切る必要があるだろう。