社会変化への積極的な対応こそ

  コロナ禍によって消費者の購 買行動が変化する中、ダイレク トセリング化粧品分野でもニュ ーノーマルに対応した施策が相 次いで打ち出されている。これ までサロンをはじめ、異業種と のコラボ、商業施設でのイベン トなど、〝訪販〟といった枠組 みにとらわれず、かつ対面販売 のノウハウを活かした施策が特 徴だ。
 ナリス化粧品はもともと、セ ルフエステをメーンとした「デ ・アイム」など、リーズナブル な価格で手軽にエステを利用で きるサービスを得意としてき た。駅チカの商業施設などで展 開している「ビューティサロン」 では、専門のスタッフによるク イックエステを提供し、会社帰 りや待ち合わせといった女性の スキマ時間での利用を訴求して きた。一方で、コロナ禍によっ て、外出自粛やリモートワーク の増加などを背景に、多くの女 性の生活様式が変化した。また、 女性の美容に対するニーズつい ても、フェイシャルエステは利 用したいが接触機会は減らした いという声が増えていることを 踏まえて、同社は昨年から自宅 エステやネット通販など、社会 情勢に合わせた柔軟な取組みを 行ってきた。ここにきて、同社 はさらに新しい施策を打ち出し た。
 ニューノーマルの生活が続 き、巣篭もり需要が増える中、 同社は「おこもり美容」という 新しいスタイルを提案してい る。自宅にいながらサロンと同 じエステメニューを受けられる 「プレミアムエステ」に加え、 1月21日から、自宅にいながら 専属の美容部員と一緒にカウン セリングやスキンケアレッスン を受けられる「オンラインスキ ンケアモニター」をスタートし た。 自宅に1カ月分のスキンケ アセットが届き、オンラインで カウンセリングを受けながら28 日間のスキンケアを行えるサー ビス。店舗に行かなくても、美 容部員からフォローされつつス テップアップできる同サービス は、接触機会を減らしたい女性 ニーズを踏まえつつ、販売員へ の支援施策という側面をもつ。
 同社では、これまでも「28日 間のスキンケアモニター」を新 規顧客へのアプローチとして充 填を置いてきた。新施策の「オ ンラインスキンケアモニター」 も、自宅エステ「プレミアムエ ステ」と同じく、コロナ禍によ って変化した女性のライフスタ イルに柔軟に対応する狙いがあ る。感染を警戒する女性だけで なく、さまざまな事情で外出が 難しい女性にも手軽に提案でき るのが強みだ。
 同社は、オンラインによるカ ウンセリングを「対面でできな いから、仕方なくオンラインで 行う」とは捉えていない。積極 的に社会の変化へ対応していく ことで、ウィズコロナだけでな く、収束後のアフターコロナを 見据えた需要掘り起こしを進め ていく構えだ。