「おうち美容」需要を追い風に

  ニューノーマルの生活様式が 続く中、自宅で美容に力を入れ たい「おうち美容」の需要が高 まりを見せている。ダイレクト セリング化粧品各社も、感染防 止対策を講じながらサロンなど での対面販売やケアを継続する 傍ら、「おうち美容」にフォー カスした商品・サービスの開発 を急いでいる。
 セルフエステサロン「デ・ア イム」やクイックメニューをメ ーンに展開する「ナリス ビュ ーティサロン」といったサロン を中心とした事業を展開してい るナリス化粧品では、自宅でも サロンと同じ施術を受けられる 「プレミアムエステ」や、新メ ークブランド「ヴィータ」では、 自宅でも手軽に新しいメークを 試すことができる「バーチャル メーク」サービスなどを昨年か ら展開し、「おうち美容」のニ ーズに対応してきた。6月21日 には、ロングセラーの家庭用美 顔器「メガビューティ」を軸と した1週間集中ケアセット6月 21日に発売する「メガビューテ ィ エステティック」を発売し、 次なる戦略を打ち出す。同社に よると、家庭用美顔器を所有し ている女性は3割を超えてお り、20代では約4割が美顔器を 所有しているという。コロナ禍 で外出自粛が続き、自宅で過ご す時間が増えた結果、今後も 「サロンに行くよりも経済的」 「サロンに行く代わり」といっ た自宅ケアの需要も増加するこ とが予想されることから、ロン グセラー美顔器を武器に攻勢を 強めている。
 昨年の緊急事態宣言で一時期 サロンを全面休業せざるを得な かったシーボンは、前期(20 21年3月期)売上で苦戦を強 いら れた。ECのテコ入れ、サ ロンにおけるオンラインカウン セリングの強化などの打開策を 導入するとともに、「おうち美 容」需要の掘り起こしも進めて いる。この3月には、エイジン グケアのミスト状美容液「シー ボン ナノグロウミスト」と美 顔器「「シーボン グロウリフ ト」を発売し、〝ウィズコロナ 時代の美容法をコンセプトに、 〝より充実したホームケア〟を 訴求している。美容液と美顔器 の相乗効果によって、美容効果 を高めることが可能。美顔器は 防滴仕様でバスタイムなどでも 使用できるため、家事やホーム ワークといったスキマ時間や、 リラックスタイムでの〝ながら 美容〟を提案している。
 最大手のポーラでは、最高峰 ブランド「B.A」のラインナ ップを拡充し、高級スキンケア 需要に対応している。「おうち 美容」では、美顔器や高機能化 粧品といった高価格帯のアイテ ムが美容意識の高いコア層を中 心に人気を博している。ダイレ クトセリング化粧品はもともと 中~高価格帯を主力に展開して きたこともあり、このトレンド を追い風に、コロナ禍の中で新 規顧客開拓に向けた動きが強ま っているようだ。