加速する後半戦への施策

 2021年の後半戦に向け て、ダイレクセリング化粧品各 社が取り組みを加速させてい る。ニューノーマルに対応した サロン営業やECをはじめとす る販売チャネルの強化も進み、 コロナ禍で冷え込んだ需要開拓 に注力している。
 ポーラは、人気アイテム「リ ンクルショットメディカルセラ ム」や、最高峰ブランド「B A」シリーズなどの高付加価値 ラインを中心とした新規顧客の 掘り起こしを引き続き展開。ポ ーラ・ザ・ビューティーサロン 関連では、一部店舗の休業など の影響があるものの、既存顧客 を中心に回復している。コロナ 禍は依然として不安要因であ り、回復度合いの見通しをつけ づらい状況だが、主力の委託販 売チャネル新たな法人設立モデ ルをスタートさせ、事業の継続 性や雇用による安定性向上を進 め、より強固な事業基盤を構築 していくという。同施策には、 女性の活躍推進をさらに強化す るという側面もある。
 ノエビアでは、販売代理店に よるサロン「ノエビア ビュー ティスタジオ」や、都市部を中 心に展開している直営店「ノエ ビアスタイル」および「ノエビ ア サロンドスペチアーレ」を 軸とした販売網を構築。「サロ ンドスペチアーレ」については、 2020年10月に東京・池袋に 新店舗をオープンしている。対 面でのカウンセリング等が難し い中、販売代理店向けのWeb 受注システムの活用を強化して いるほか、アプリやWeb上で のブランディング、オンライン 教育も充実させている。商品面 では、9月に30~40代の女性を メーンターゲットとしたメイク アップブランド「アクトリース」 から新アイテムを投入する。マ ス ク着用生活に対応した処方を 採用し、アイカラーと、使い方 によって発色の違いを楽しめる ティントリップをラインナッ プ。コロナ禍で変化したニーズ に対応したアイテムを開発し、 需要喚起につなげる。
 10月1日に45周年を迎えるア イビー化粧品は、節目の年に大 型商品として新スキンケアブラ ンド「アイビーコスモスⅡ」を 投入する計画だ。コロナ禍で目 元のスキンケアやメイクアップ への関心が高まっていることを 背景に、新たなラインナップと して、シワ改善に対応した「ア イビーコスモスⅡナイトリンク ルガード」を投入する。「アイ ビーコスモス」は、2011年 に35周年記念アイテムとして投 入したブランドで、独自の「ア イビーセーラムリキッド」を配 合したほか、医療分野で用いら れている技術を応用するなど、 当時の最新研究をフィードバッ クして業績に貢献した。他の企 業がECなど新しいマーケット を開拓する中、同社は対面販売 にこだわって事業を継続してい る。節目の年に刷新する大型ブ ランドでコロナ禍を巻き返せる のか注目される。