独自視点で差別化図れ

  化粧品市場において、美白カ テゴリーはコロナ禍の中でも根 強い人気を誇っている。各社は 美白需要が高まるこの時期に合 わせて次々と新商品を展開して いるが、コロナ禍で多様化した ニーズに合わせて、ニューノー マル対応の機能を盛り込む動き がみられる。
 ポーラは、美白ケアブランド 「ホワイトショット」の新製品 として、温度差がある環境に着 目した処方設計を採用した「ホ ワイトショットクリームRX S」を7月に発売する。同社は、 2019年に日本国内では10年 ぶりとなる新規美白有効成分 「PCE│DP」を配合したラ インナップを投入して差別化を 図ってきた。新商品では、季節 の変わり目や、マスクの着脱時 などの「温度差がある環境」が、 肌に影響していたことに着目し た。コロナ禍でマスクの着脱が 習慣化したことで、肌の「温度 差ストレス」によって日焼けや 肌荒れしやすい環境が増えたこ とを踏まえ、新成分や新処方を 開発してニューノーマル対応の 美白アイテムとして訴求してい る。また、近年、さまざまな企 業が経営方針に取り入れている SDGsの観点も盛り込んでお り、温度差が激しくなる要因で もある地球温暖化への対応も強 化。WEBパンフレットや森林 認証紙の採用に加え、新たに、 容器ではバイオマスPETやバ イオマス粘着剤の採用した。商 品外箱では紙使用量を削減する とともに、バージンパルプ使用 量を削減した。
 日焼け止めアイテムは、美白 と密接に関連している分野だ が 、ナリス化粧品では、日焼け 止めアイテムで新たなアプロー チを示した。2月21日に日焼け 止めブランド「ソリスト」2品 を全面的にリニューアル。日焼 け止めは通年使用が浸透してい る一方で、国内の日焼け止めの 最高表示である「SPF+・ PA++++」も各社が実現し ており、差別化が難しい状況に ある。これを踏まえ、リニュー アルした「ソリスト」では、絶 対に日焼けしたくない人向けの 乳液タイプと、日焼け止めにも 心地よい塗り心地を求める人向 けのジェルタイプの2タイプを ラインナップ。乳液タイプでは、 肌のきしみ感がないほか、汗・ 水だけでなく擦れにも強い「タ フブロック技術」を搭載。また、 ジェルタイプでは美容液成分を 80%配合し、肌に伸ばしやすい テクスチャーが特徴。日焼け止 めの機能性だけでなく、使う人 のニーズに合わせたアイテムを 提案することで、日焼け止めを 日常のスキンケアの一環である として、「塗らなくてはいけな い」日焼け止めの概念を変え、 「塗りたい」日焼け止めを訴求 している。
 これから5月の大型連休に入 り、人の移動も増える季節に向 かう。今夏も猛暑予想となって おり、美白市場もますます過熱 しそうだ。