アフターコロナ「次の一手」

  ダイレクトセリング化粧品市 場ではこのところ、リアルイベ ントを再開する動きもみられ る。合わせてECなど非接触型 の販売チャネルを強化する取組 みも活発であり、各社がアフタ ーコロナを見据え、多様化・細 分化したニーズの掘り起こしを 進めている。
 オッペン化粧品は、3年ぶり にリアルイベントを開催した。 5月7日~13日の1週間、本社 敷地内にあるばら園を一般公開 するイベント「ローズウィーク」 を実施。2020年、2021 年はコロナ禍のためリアルでの 開催は中止し、ばら園の様子を オンラインで配信したが、感染 状況に落ち着きがみられること 等から、晴れて開催の運びとな った。同イベントは2014年 から開催されているイベント で、本社敷地内にあるばら園を 一般公開している。イベントで は、美容セミナーのほか、隣接 する大阪学院大学とのコラボレ ーションイベント、吹田市など 自治体と連携した取り組みなど も行われ、地域に密着した風物 詩として定着してきた。2年連 続でインターネット等での公開 となったローズウィークだが、 今年はイベントの制限などがあ ったものの、リアル開催できた ことで、ローズウィークの開催 によって、この2年停滞しがち だった活動が1つの転換点を迎 えたと見ることができる。
 同社はまた、地域と積極的に 連携する取り組みを活発に行っ ている。隣接の大阪学院大学で は、就活メークセミナー、地域 創生講座「吹田学」への協力等 でコラボを図ってきた。2月1 日にリニューアル発売したロン グセラーの保湿クリーム「オッ ペンエポックミラクルコーチク リーム」では、容器デザインで 大阪にあるデザイン専門学校と コラ ボするなど、地域に密着し た化粧品ブランドとして、差別 化を図っている。
 「リアルとデジタルの接続」 は、コロナ禍の中で不可欠な施 策となった。ポーラでは、多様 化が進む消費者ニーズに合わ せ、ダイレクトセリングを生か した柔軟な販売チャネルの設 計、利便性向上を図っている。 リアル店舗での活動が苦戦する 中、同社はECやオンラインツ ールでポーラに接触した新規顧 客を、サロンをはじめとするリ アルチャネルに接続する取り組 みを強化。公式アプリでの情報 発信をはじめ、オンライン決済 ・直送システムの導入など、制 度の近代化を急ピッチで進めて いる。シーボンでは、オンライ ンの無料カウンセリング「シー ボンオンラインビューティ・ア ドバイス」を実施し、デジタル とリアル施策の接続を図ってい る。同サービスでは、美容カウ ンセリング、化粧品の使い方ア ドバイス、顧客の肌に合った化 粧品の紹介と販売を行う。対面 販売で培ってきた美容のプロの ノウハウをデジタルで活かす取 組みは、今後も続くとみられる。