ニューノーマルのサロン展開

 ダイレクトセリング化粧品市 場におけるサロン展開は、顧客 接点と販売チャネルの多様化を 目的に、「リアルでの対面」を 基本としてきた。コロナ禍の中、 そのあり方が大きく変わったこ とでオンラインでのカウンセリ ングやITを活用した教育、自 宅訪問など、リアル・デジタル を駆使した施策が目立つ。
 ポーラは、対面で行ってきた カウンセリングをオンライン化 し、月平均で2000人以上の 顧客がオンラインカウンセリン グやワークショップを利用して いる。オンラインワークショッ プでは、家で出来るお手入れや セルフマッサージ、メークの基 本レッスン、新製品の特徴紹介 と使用法レッスンなどを複数名 対象に行っており、参加者の意 見などを踏まえてオンラインコ ンテンツをブラッシュアップし ている。対面で行ってきたカウ ンセリングをオンライン化し、 スタッフと顧客の接触時間を減 らすことが出来るシステムは、 「おうち美容」を行いつつ、サ ロンでのカウンセリングなどリ アル施策を提供できるのが特徴 で、オンラインカウンセリング およびワークショップの満足度 は90%以上、知人・友人への推 奨度は80%と、好評を博してい るようだ。
 同社はまた、個肌対応のパー ソナライズドブランド「アペッ クス」のラインナップも強化し ている。コロナ禍になり、男性 でもスキンケアを意識する動き が強まっているほか、社会のさ まざまな分野で「ジェンダーレ ス」が注目されていることから、 〝肌個性〟に合わせたスキンケ アブランドとして訴求を強めて いる。
 シーボンは、オンラインの無 料カウンセリング「シーボンオ ンラ インビューティ・アドバイ ス」を実施している。全国に1 00店舗以上の「フェイシャリ ストサロン」を展開する同社は、 化粧品の購入額に応じてポイン トを付与、それを使ってフェイ シャルケアサービスを提供して きた。オンラインカウンセリン グでは、対面カウンセリングで 培ってきたノウハウを活かし、 美容カウンセリング、化粧品の 使い方アドバイス、顧客の肌に 合った化粧品の紹介と販売を行 う。昨年末からは、製品レビュ ーコンテンツ「フェイシャリス ト レビュー」も展開。フェイ シャリストが製品を紹介するオ ンラインコンテツで、フェイシ ャリストが顧客に接客をするイ メージで、分かりやすく親しみ やすい内容を意識している。
 同社はこれまで、リアルイベ ントとして、イベント会場や異 業種とのコラボレーションによ るブランド訴求、新規顧客獲得 を行ってきた。ニューノーマル 社会になり、オンラインカウン セリングや専用アプリといった 施策が加わった。SNSの情報 発信やEC強化を進め、情報動 画の配信、EC専用ブランドの 展開なども視野に入れている。