高付加価値で需要開拓

 ダイレクトセリング化粧品分野では、最高級・最高峰クラスのブランドをテコ入れする動きが相次ぐ。〝脱コロナ〟を追い風に、 最新の研究技術をフィードバックして付加価値を訴求する取り組みがみられる。
 日本メナード化粧品は9月21日に「薬用ラインズリセット」を発売するが、シワ改善効果の承認を受けた有効成分「VEP―M」を日本で初めて配合した美容液として訴求している。 加齢や紫外線などの影響でセラミドやヒアルロン酸が減少すると、表皮の柔軟性が低下し、表皮の柔軟性が低下することで、一時的な表情の変化による表情ジワが元に戻りにくくなり、 シワになってしまうという。「VEP―M」は、セラミドとヒアルロン酸を生み出し、表皮の柔軟性を高めることでシワを改善する働きがある。吸いつくような感触でなじみ、 膜のような感触をもたらす使用感の特性があり、肌に伸ばしている時からシワ改善効果への期待を高められるよう、製剤化には水性成分、油性成分の特徴を活用したという。
 9月18日に創立70周年を迎えたオッペン化粧品は、最高峰ブランド「アルティメイト」3品をリニューアルした。同シリーズは、「創立60周年記念商品」として発売されたブランドで、 「創立65周年記念」として、2018年に1回目のリニューアルを実施。今回は、3代目「アルティメイト」となる。新「アルティメイト」では、 最新技術から生まれた話題の成分「NMN」と「CELLAMENT」を配合した。〝時間の流れに挑む、究極のスキンケア〟をコンセプトに、 独自成分を配合したエイジングケアシリーズとして訴求していく。
 真珠由来の配合成分を強みとしている御木本製薬は、40年にわたって根強い支持を集めてきたエイジングケアライン「ラフェリーナ」を、 「ムーンパール」ブランドの最高峰エイジングケア「ムーンパール エクストラ」としてリニューアルする。「ムーンパール」は、同社の基幹ブランドで、 ロングセラーの人気ラインを最高峰ブランドに位置づけて付加価値の向上を図っている。黒蝶貝、アコヤガイより抽出した真珠層・真珠貝由来成分配合のスキンケアラインで、 エイジング世代の悩みであるハリ・弾力のある肌へアプローチする。
 このほかにも、ナリス化粧品では、最高級ブランドの「セルグレース」を大幅に刷新するとともに、ベースメークラインを強化して、最高級ブランドとしての基盤を強化。 ポーラでは、「B.A」ブランドから約8万円の高級美容液「B.AグランラグゼⅣ」を10月1日に発売するなど、2023年は各社のブランド強化が目白押しだ。 国内だけでなく海外を視野に入れた商品施策もみられ、需要掘り起こしに期待がかかっている。