業界の被災地支援、継続への期待

 元旦に発生した「令和6年能登半島地震」から約1カ月半を経過した。甚大な被害を生じた被災地・被災者を助けるため、MLM業界でも多くの企業が支援に乗り出している。今回の地震は政府が激甚災害に指定。死者・行方不明者と避難生活者の人数は、やはり激甚災害に指定された2011年の東日本大震災に次ぐ規模に上る。同震災は完全には復興を終えておらず、再建の取り組みと支援が続く。能登半島地震においても支援の継続が期待される。
 各社の支援活動で、早くから着手されているのが義援金。セプテムプロダクツ、ナチュラリープラス、日本アムウェイ、ニュースキンジャパン、フォーエバーリビングプロダクツジャパン、フォーデイズ、ライフバンテージジャパンなどが、日本赤十字社などの人道支援組織を介した寄付を行ったり、今後の寄付を予定している。
 会員や販売員、社員から集まった募金に会社から同額をマッチングして寄付するケースもある。チャリティーイベントや、被災地の企業とのコラボレーションによって、その売上の一部を寄付に充当する試みも始まっている。被災地に住む会員、販売員に対して、独自のお見舞金をおくるケースも少なくない。
 支援物資の提供も始まっている。一例が、自社製品のうち生活必需品に類するホームケアアイテムや下着類など。基礎化粧品、健康食品などを提供する事例も多い。コンフィアンスはグループの工場からポリタンクを提供し、水の配給で役立てられたという。被災地の交通インフラの復旧度合いや現地の受け入れ体制にも左右されてくるが、必要不可欠な取り組みだ。

 被災地の会員、販売員に対する様々な特例措置も業界独自の支援活動として特筆される。被災した会員等は自身の生活の再建が最優先となるため、通常のビジネス活動が困難。このため複数の企業は、1月やその後の数カ月について、売上等の実績が規定のラインに達したかどうかにかかわらず、資格維持やボーナス取得の要件を自動的に満たしたとみなす旨を通知した。直近のボーナス取得額の平均に照らした最低保障ラインを設けたケースもある。
 また、被災にともなう金銭的理由やインフラ復旧の遅れから、定期購入の継続が難しい場合、一時的に定期購入をストップしても割引等の特典を保障するとした事例も。被災で使用できなくなった製品の無償交換、修理も行われている。
 さらに会社だけでなく、その会員や販売員による独自の支援活動が各地で始まっている。自社の顧客が単なるカスタマーにとどまらず、ビジネス活動におけるスキルも用いて自発的、能動的に支援に動くのもMLMの長所の一つ。これらの取り組みが可能な限り続いてほしい。