ダイレクトセリング化粧品 ニューノーマル定着でリアル回帰も
多様化するニーズの開拓へ
活動活発化も影響大きく
表は、本紙が2022年12月に実施した「第73回ダイレクトセリング実施企業売上高ランキング調査」をベースに、
化粧品を主力商品とするダイレクトセリング(=DS)企業42社の直近実績をまとめたもの。
42社のうち、ヤクルト本社は単体ベースの化粧品事業の売上高を「前期売上高」として掲載している。直近業績の増減率をみると、
前期と比較可能な41社のうち、「増収」が11社、「横ばい」が9社、「減収」が21社となった。2022年7月に実施した前回調査では、
前期と比較可能な42社のうち、増収が6社、横ばいが17社、減収が19社となっている。今回の調査では増収企業が増加した一方で、減収企業も増えており、
依然としてコロナ禍によるダメージが大きいことを窺わせる。42社のうち、エステサロンや地域密着型の店舗といったビジネスモデルを展開している企業は19社となっており、 約45%の企業がサロンビジネスを導入している。
サロンビジネスは、従来型訪販から進化した対面型のカウンセリング販売として定着してきた。シーボンやCPコスメティクス、 ワミレスコスメティックスといった老舗化粧品企業が先駆けとなって業界に定着してきたが、2000年代に入ってポーラが大規模なサロン展開を推進し、 全国に「ポーラザビューティー(PB)」をはじめとする拠点網を構築し、成果を上げてきた。また、 ナリス化粧品がセルフエステサロン「デ・アイム」を独自に展開するなど、社会構造の変化や女性の価値観の多様化に合わせて、 顧客接点のあり方を柔軟に変えてきた。この流れに沿ってサロンビジネスを取り入れる企業が大幅に増加し、 新規ユーザーの間口を広げる施策として業界に定着した。ドア・ツー・ドアなど従来の手法は、 ダイレクトセリング化粧品分野では2000年代より以前から既に縮小し、クチコミによる拡大を軸としてきたが、 その流れを加速させたのがサロンビジネスと言える。アプローチが困難な時代に、立地に合わせた手法でカウンセリングやエステ、 商品販売を行う「見える化」の施策として浸透した。
(続きは2023年1月19日号参照)
