ダイレクトセリング・「消セン回り」の現在 @ アムウェイ

全都道府県の消セン、年1回訪問
消セン専用「直通フリーダイヤル」設置


 ダイレクトセリング企業における定番の取り組みの一つに「消セン回り」がある。
 コンプライアンス部門の担当者が各地の消費生活センターを訪問して、相談員や職員から自社の勧誘・販売活動に関わる苦情の有無などを聞き取り、法令や公序良俗に照らして問題が疑われる行為が確認された場合、早期の是正につなげる取り組みだ。
 PIO―NETベースの相談件数は、訪問販売が05年度をピークに下がり続け、過去約10年は7万件〜8万件台で推移し、23年度の連鎖販売取引は過去最少。法令遵守意識の一層の高まりやコロナ禍の影響なども背景に、以前に比べると訪問の範囲・頻度に縮小が窺えるものの、その意義は変わっていない。主要各社の「消セン回り」の今を見ていく。
 現在、DS業界でもっとも積極的に「消セン回り」を行っていると言える一社が日本アムウェイ(東京都渋谷区)だろう。3年前の特定商取引法処分をきっかけに、ABO(所謂ビジネス会員)の勧誘、登録に関わる自主規制を大幅に強化。これと同時に、従来より行ってきた「消セン回り」も強化を図った。
 「消セン回り」は、同社の政府渉外部が担当。同部の主な業務は「行政機関、地域・コミュニティとの連携、その他業界団体などの対応窓口」(同社)といい、コンプライアンスの推進はビジネスルール部が管轄している。
 政府渉外部の所属スタッフ数は、2月1日付で1名の増員が行われ、現在は計4名。スタッフは「主幹」という立場で消センを訪問している。必要に応じて、ビジネスルール部や営業部門の担当者が同行する場合もあるという。
 訪問の対象は全都道府県の消セン。毎年各1回は訪れているとする。
 コロナ禍以前の「消セン回り」は、大型の都市の消センを中心に実施。しかし、行政処分を機に全都道府県に拡大した。同業他社の「消セン回り」は、会員の人数が多かったり、ビジネス活動が活発な地域が中心となっているところ、業界最大手である同社の営業エリアは全国に及ぶことも背景に指摘できる。

(続きは2025年4月10日号参照)