同業他社の「公式ストア」戦略

ロイヤル化粧品…転売に警告、出品者が取り下げ
エックスワン…7年前開設、「認知向上」のため
アムウェイ…昨年閉店、「シェアバー」は継続



▲昨年10月に公式ストア(=写真)を開設したロイヤル化粧品は、今後、偽造品が出てきた場合、Transparency制度を導入する可能性を示唆
 Amazonに公式ストアを出店したMLMはニュースキンジャパンだけではない。これまでにも複数の企業が、転売される非正規品の排除やブランド認知の向上、一般消費者の開拓などを目的として、公式ストアを運営してきた。中には一定の成果≠得たケースもある。

 ロイヤル化粧品(本社・東京都港区)は昨年6月、Amazonに公式ストアを出店した。洗顔・保湿製品などの主要なスキンケア商品10点を定価で販売。運営は、グループ会社のロイヤルグリーンが担当している。
 出店目的の一つは、Amazonのマーケットプレイスで販売されていた転売品の排除。「弊社と無関係な転売品が散見されたため、正規品のブランド保護や薬機法の観点から出店を行った」という。
 過去には、出品業者に対する措置にも着手。「詳細は差し控えるが、転売品の出品者に対して警告を行い、出品を取り下げてもらった事がある」という。
 エックスワン(本社・東京都港区)がAmazonに公式ストアを出店したのは18年5月。同業他社に先駆けて、主力とするヒト幹細胞培養液配合スキンケア・メイクアップ「エックスリュークス」ラインをはじめとした製品を取り扱ってきた。
 運営は親会社のストリームが担当。同社の出店以前から、主力部門である家電系WEB通販「ECカレント」の公式ストアを運営してきた。
 出店の前年となる17年3月には、ストリームが楽天市場で「ワンズマート」を開設。ここでも同社の製品を販売してきた。「ワンズマート」は19年、同社のオフィシャルショップに刷新している。
 日本アムウェイ(本社・東京都渋谷区)は20年6月に公式ストアを開設。既存のリクルート網と販路では難しい一般消費者へのリーチ、転売品の排除が目的だったが、昨年2月に閉店した。
 公式ストアで販売していたのは、健康食品ブランド「ニュートリライト」の製品群。売上トップの「トリプルX」をはじめプロテイン、CoQ10などの人気アイテムを揃えていた。
 開設当時、同社は公式ストアを「新品の製品を安心してお買い求めいただける唯一の正式取扱店」と位置づけ、会員とのパートナーシップの下で「転売による流通量の減少に努めていく」方針を示していた。
 また、販売価格は定価だった一方、会員の紹介≠ェあれば割安で購入できる「シェアバー」制度を導入していた。

(続きは2025年4月24日号参照)