顧客接点の模索続く ダイレクトセリング化粧品
「ECの活用」にも変化
独自性の創出、各社に動き

一般化したECチャネル展開
また、大手・老舗企業を中心に、5社が公式EC以外のECサイト(Amazonなど)でも商品を販売している。例えば、ナリス化粧品では、ドラッグストア・量販店流通で展開するナリスアップブランドにおいて、ハンドクリーム「NARIS UP ハンドUV リンクルデイクリームW」や、薬用かかと美容液「足小路麗子(あしのこうじれいこ) 薬用 フットケアジェル」をAmazon限定商品として展開している。「セルグレース」や「ルクエ」などの主力ブランドは、販売員よる直接販売やナリス店舗、公式オンラインショップでの取り扱いとなっており、ブランドの棲み分けが図られている。ヤクルト本社では、スティックタイプのプロバイオティクス食品「マルチプロバイオティクス サプリメント」や、若年女性をメーンターゲットとしているブランド「三つ星Factory」のラインナップである「アイスdeヤクルト」、犬猫用のサプリメント「メディサプリ」をAmazonで販売するなど、主力の乳製品乳酸菌飲料や化粧品とは異なる商品を取り扱っている。
主力ブランドを販売員による対面販売やサロンといったリアルの接点だけでなく、公式ECでも販売する動きはここ数年で広がっているが、他社サイトでの販売までには至っていない。先に挙げた企業のケースにしても、もともとセルフ市場向けに展開していたり、期間限定で販売していたアイテムだったりと、訪販やサロン販売といったメーンチャネルとは異なるラインナップが目立つ。そこには、高機能・高付加価値で訴求してきた訪販系のアイテムをそのままECなど別のチャネルで展開してもニーズをとらえることが簡単ではないこと、既存の販売組織との兼ね合いなどといった事情が背景にある。