何が起きた? モデーア事業終了

3月分報酬支払われず、世界共通システムが停止
日本法人は清算へ、製品在庫の取扱いなど焦点に



▲過去5年における外資MLMの日本事業終了事例

▲一昨年に離脱≠オた米トップリーダーは、米本社を相手取った反訴の訴状で、米本社株式の過半数を所有するZキャピタルグループが十分な投資を行っていないと主張していた(写真はZキャピタルグループのWEBサイト)
 国内外のMLM業界を驚かせると同時に困惑させた米モデーア(米ユタ州)の事業終了。4月11日の発表から2週間以上を経過した現在も、その理由は公式に明らかとされていない(4月26日時点)。突然の発表は、モデーアジャパン(東京都港区)と他の海外法人、米本社の従業員にとっても寝耳に水。世界共通の管理システムがストップし、本社の具体的指示もほとんどない中、日本は会社清算に着手した。一方の会員サイドは、4月25日の報酬支払いが予定通りに行われず、返品・解約等の受付窓口の閉鎖状態が続いていることもあって、混乱が収まる様子はない。異例ずくめの劇的撤退の行方を探る
 

米本社従業員も寝耳に水

   「親会社であるモデーア本社が(中略)事業終了を発表したことに伴い、国内におけるモデーアジャパン合同会社の製品販売および会員登録を含むすべての事業を終了いたしました」。
 4月14日、モデーアジャパンのWEBサイトに事業の終了を告げるこのような文面が掲載された。米本社がサイトで事業の「閉鎖(closeourdoors)」を発表したタイミングは、日本時間の4月12日午前。日本の告知より2日速く、いきなりの幕切れ≠ヘすぐさま業界に衝撃をもたらした。
 旧ニューウエイズとして90年後半にプレマーケティングを始め、01年に開業。ピークの07年8月期に日本単独で約670億円を売り上げ、会員数は約53万組に達した。その後、15年に報酬プランを大幅に変え、社名とブランドをモデーアにチェンジ。本紙推定売上は23年度で約120億円(卸ベース)。元従業員の一人は「少なく見積もっても純粋な売上が50億円以上はあったと思う。数万人規模の熱烈な製品ファンを抱えていたはず」とつぶやく。
 現役の従業員の一人は「本当にびっくりした」と打ち明けた。事業終了は、日本のみならずオーストラリア等の海外法人や米本社の従業員にとっても寝耳に水=B関係筋の一人によれば、日本・オーストラリア等を管轄していたアジア太平洋ゼネラルマネージャーにも事前の伝達はなかったという。一部の米メディアの報道によれば、米本社では所謂ロックアウトが行われたという。

4月25日付の振込、行われず

 日本は4月26日の全国大会「ソーシャルリテールカンファレンス」に向けた準備の真っ最中。チケットは3月17日までに完売していた。しかし、会場に予定していた横浜ランドマークホールによれば、4月14日にキャンセルの申し出を受けたという。使用料は前払いで、全額がキャンセル費に回る。
 海外は2月、英国でアフィリエイト型の販売モデルを試験的にスタート。既存のMLMモデルを強化・補完するプログラムと位置づけ、事業領域の拡大に着手した矢先だった。
 突然の事業終了は、当然ながら現場に大きな混乱をもたらしている。中でも大きいのが、報酬の支払いが行われていないことだ。

(続きは2025年5月8日号参照)